昭和史講座の栞(しおり)

本誌は、私(保阪正康)がこれまで昭和史を語り
継ごうと思い、数多くの人にあってきたが、その折に
入手した資料、記録、証言などを次世代に伝えたいとの
思いで刊行している。

編集方針、内容など運営上のすべては私の一存
できめており、その責任もまた私にある。特定の史観、
信条、理念によって編まれるのではなく、ただ一点、
昭和という時代を自らの体験を踏まえて見つめ、
できるだけ客観化しながら語り継いでいこうというのが
基本的な考えである。

本誌が『昭和史講座』と称するのは、思想的意味
や史観論争を意図してのことではない。私が市民講座や
カルチュアセンターなどで定期的に昭和史に関する講座
をもっているからである。この講座で出会う人びとの励
ましが本誌の支えでもある。

   本誌は研究誌でも商業誌でもない。あえていえば継承誌
としての自負を保ち続けたい。限定された読者とともに
 本誌を編みつつ、<親から子へ、子から孫への語り継ぎ>
を大切にしていきたいと思う。

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