単行本(2024/9/25) (日刊現代)
■内容紹介]■
「保阪君、雲の上の人に会う気はあるか」
故・半藤一利氏にそう声をかけられたのをきっかけに、
筆者は2013年から2016年の3年間で6回も、
天皇、皇后両陛下(現上皇、上皇后)に御所にお招きいただき、それぞれ数時間にわたる「雑談」を、
都合20時間以上重ねた。
近現代史を研究してきた筆者にとって、両陛下のお話は歴史の機微に触れる、
まことに貴重な証言であったのと同時に、いずれ編まれるであろう
平成の天皇実録の史料として、この雑談の記録を残しておくよう、
侍従長であった故・渡邉允氏に強く勧められたこともあって、
「文藝春秋」2023年1月号、2月号の2回にわたってこの懇談録を執筆した。
これに、2015年5月号掲載の渡邉侍従長との対談、
2018年9月号掲載の川島裕侍従長との対談を合わせて、
平成の天皇、皇后両陛下の、常に歴史と国民に向き合われてきたお姿を記録したのが本書である。
「日本にはどうして民主主義が根付かなかったのでしょうね」
「石原莞爾はそういうところ(田中メモランダムの執筆)でも関与しているんですかね」
など、公式の場面では絶対に出てこない陛下のお言葉は、昭和、平成の2代の
歴史の重みを自然と感じさせる。
両氏が御所にお招きいただいたのは、ちょうど陛下が「生前退位」をお考えに
なっていた時期でもあった。
歴史の大きな節目に関わった、歴史研究家による貴重な記録が本書なのである。
新書(2024/11/11) (NHK出版)
■内容紹介]■
初の普通選挙、太平洋戦争、そして終戦。時の首相は、壇上から何を訴えたのか
昭和の幕開けから戦時体制へ、歴史が最悪のシナリオに向かう過程で、
時の首相は、各党の指導者は、国民に何をどのように語ったのか。
1928年に初の普通選挙に臨む田中義一から、
1945年の終戦時に内閣を率いた鈴木貫太郎まで。
昭和史研究の泰斗・保阪正康が、NHKに残された戦前・戦中の
政治家24人の演説の肉声を活字にして、その一つ一つに解説を付しながら、
太平洋戦争までの実態を明らかにする、類を見ない一冊!
第一章 初の普通選挙に臨む
田中義一――初の普通選挙法に向けて
浜口雄幸1――経済難局の打開に向けて
浜口雄幸2――総選挙に臨む立憲民政党の立場
尾崎行雄――「憲政の神様」の総選挙
安部磯雄――無産政党の使命とは
大山郁夫――政治的自由獲得のための闘争
第二章 満洲事変勃発
若槻礼次郎――ロンドンより海軍軍備の縮小について
犬養毅――満洲事変後の日本の根本問題
永井柳太郎――日本は政友会の日本ではない
井上準之助――金輸出再禁止の決行は誤り
高橋是清――財政支出が需要拡大を推進する
斎藤実――「非常時の覚悟」をもって困難と戦う
第三章 国際連盟脱退から日中戦争へ
松岡洋右――国民精神を作興すべし
岡田啓介――ロンドン海軍軍縮会議脱退後の総選挙に向けて
広田弘毅――ドイツとの間の防共協定締結
林銑十郎――二大政党に反省を求む
近衛文麿――国民政府を対手とせざるの方針
平沼騏一郎――支那事変に対処すべき方針は確固不動
第四章 第二次世界大戦始まる
阿部信行――東亜新秩序の確立は不動の国策
斎藤隆夫――羊の正義は狼の前には三文の値打ちもない
近衛文麿1――大政を翼賛し奉らなければならない
近衛文麿2――産国相寄り合い、軍事同盟の威力を発揮せん
松岡洋右――米国の態度をすこぶる遺憾とする者である
第五章 太平洋戦争、そして終戦
東條英機1――一億国民が国に報い国に殉ずるの時
中野正剛――東方会精神にのっとり、全国民の信頼にそわん
米内光政――山本五十六元帥の英霊に応うる道
東條英機2――皇運を扶翼し奉るの日は今日来た
小磯国昭――総力を結集して敵に当たり、その非望を粉砕すべき道
鈴木貫太郎――私が一億国民諸君の真っ先に立って死花を咲かす
単行本(2024/9/25) (日刊現代)
■内容紹介]■
2022年のロシアによるウクライナ侵攻、2023年のイスラエルのパレスチナ侵攻、
そして中国と台湾の緊張関係の深まりなど、世界はいたるところで
激しい対立が生まれ、それ以外の地域においても一触即発の緊張が生まれている。
「明治維新から太平洋戦争敗戦まで77年、敗戦から2022年まで77年。
いまは歴史の分岐点にあるように思える」
2022年刊行された『歴史が暗転するとき』(発行:日刊現代 発売:講談社)の中で、
本書の著者である保阪正康氏はそう述べているが、そうした状況を見れば、
まさに予見通りといっていい。
敗戦後79年の間、新憲法下の日本は少なくとも戦争の当事者になる
ことはなかった。しかしながら、さまざまな地域で紛争の火種が
絶えない現在の世界情勢、国内に目を向ければ、
自公政権主導の前のめりとも思える防衛政策、さらには
国民の意識の変化などから、日本の「新しい戦前」を危惧する声も少なくない。
「戦争はいかにしてはじまり、いかなる結果を招くのか」
本書において、日本の近現代史研究の第一人者である著者は
「戦争の真実」を、緻密な実証、検証をもとに歴史の裏側にスポットライトを
あてながら読み解く。
戦闘員、民間人を含め数百万人ともいわれる日本人犠牲者はもとより、
全世界で数千万人の犠牲者を出し、
さまざまな国家に壊滅的な被害をもたらした“先の大戦”。
この“先の大戦”を“先の先の大戦”にしないことを願う読者にとって、必読の書である。
-主な内容-
第1章 日米開戦
第2章 戦争の真の姿
第3章 戦争の終結
第4章 軍国主義国家と国民
第5章 戦争への道とテロリズム
文庫本(2024/7/29) (毎日新聞出版)
半藤一利 (著), 保阪正康 (著)
■内容紹介]■
帝国海軍の栄光と限界を、日本海海戦から大和特攻まで
縦横に語り尽くした画期的な海軍史。
提督たちの実像。
昭和史研究の泰斗二人が新公開資料を読み解き、
語り尽くした14年刊行の『総点検・日本海軍と昭和史』の文庫化。
単行本(2024/7/12) (晶文社)
前田浩智 (著), 砂間裕之 (著),保阪正康 (著)
■内容紹介]■
ロシアによるウクライナ侵攻や、パレスチナ自治区ガザ地区での
ハマスとイスラエルの戦闘など世界で戦火は絶えない。
壮絶な敗戦を経験した日本は、その反省から平和国家の道を歩んだ。
まがりなりにも80年近く平和が続いているが、
私を含め日本のどれほどの人々が、
ウクライナやガザの地獄を自分自身に重ねることができるだろうか。
そして戦争する日本を想像できるだろうか。
本書は、日本が再び戦争をしないため多角的に戦争とはなにか
を理解してもらえる構成にしている。
戦争を知らない世代の道しるべとなり、世界に誇れる
平和国家実現の一助となると確信している。(はじめにより)
単行本(2024/2/21) (中央公論新社)
■内容紹介]■
社会派推理の開拓のみならず、小説、ノンフィクション、古代史、現代史など、
領域を自在に超えた執筆活動を展開し、
「国民作家」の名をほしいままにした松本清張。
その膨大な仕事のなかでも、自らの同時代史に取り組んだ
『昭和史発掘』『日本の黒い霧』は重要な柱といえる。
清張は、軍部をはじめとする国家権力、二・二六事件で
蹶起した将校たちにどのような眼差しをむけていたか。
占領期に起きた不可解な事件をいかに捉えていたか。
没後30年を経て、清張史観はいかに評価されるべきか。
松本清張から「時代の記録者」としてバトンを託された著者が
清張史観の核心を平易な文体で伝える。
阿刀田高、加藤陽子各氏との対話を収録。
新書(2024/1/19) (文春新書)
■内容紹介]■
なぜ日本は太平洋戦争を始め、敗戦に至ったのか。
なぜ「玉砕」「特攻」といった無謀な作戦で多くの人命を失ってしまったのか?――
著者が昭和史の研究に携わるようになったのは、こうした謎を解明したいとの強い動機からであった。
今まで5000人近くの昭和史関係者にインタビューを重ねてきたのは、
それはこの根源的な問いに対する答えを探す旅でもあった。
そして、敗戦に至る道筋を調べれば調べるほど、昭和だけでなく、
明治維新以降の歴史をもう一度つぶさに検証しなおす作業に迫られることになった。
その結果、著者は「地下水脈」という歴史観にたどり着く。
近代日本の始まりである明治の初期に遡ろう。
徳川幕府が倒れて明治新政府が誕生したものの、新政府内の指導者には、
日本が進むべき「国家ビジョン」が明確にあったわけではない。
明治22年に大日本帝国憲法ができるまでのほぼ20年間は、
「日本という国をこれからどのように作り変えていくか?」をめぐって、
さまざまな勢力の主導権争い≠ェおこなわれた時期だった。
著者はこの間に、次の5つの国家像が模索されたと考えている。
1欧米列強にならう帝国主義国家
2道義や倫理を尊ぶ帝国主義的道徳国家
3自由民権を軸にした民権国家
4アメリカにならう連邦制国家
5攘夷を貫く小日本国家
実際の歴史では、日本は1を歩み、すべてが軍事に収斂していくことになる。
その結末が、昭和の悲惨な敗戦であった。
では、残る2~5の国家像は、そのまま消えてしまったのか?
そうではない。4つのそれぞれの思想やビジョンは、いったん日本社会の地下に潜りながら、
いまも脈々と流れ続けている。
そして歴史の重要なターニングポイントを迎えるたびに、噴出してくるのである。
「地下水脈」という歴史観でとらえれば、現在の日本の窮状――
経済の迷走も、終身雇用サラリーマン社会が変わらないのも、
政治がダメなのも、エリート教育がダメなのも、150年以上繰り返されてきたことがわかってくる。
本書は、「地下水脈」をあらためて見つめることで、日本の近現代史を再検証する。
新書(2023/8/23) ( 講談社現代新書)
■内容紹介]■
暗殺が歴史を動かしたーー。
血盟団事件、五・一五事件、神兵隊事件、死なう団事件、そして二・二六事件……。
暴力の連鎖が生んだ悲劇を繰り返さないために、「暗黒の歴史」から何を学ぶべきか。
昭和史研究の第一人者による警世の書。
新書(2023/7/26) ( 舎新書)
■内容紹介]■
世界がウクライナ戦争で大きく揺らぎ始めている。
再び戦争の時代に戻りそうな端境期にある今だからこそ、
歴史から多くを学ぶべきだと主張する著者は、
これまで軍指導者や兵士など延べ四千人に取材し、
戦争と日本について五十年近く問い続けてきた。
なぜ近代日本は戦争に突き進んだのか?
戦争を回避する手段はなかったのか?
明治・大正と昭和の戦争の違いとは?
それらを改めて検証する過程で新たに見えてきたのが、
これまでの「戦争論」を見直す必要性である。
本書では、日本近現代の戦争の歴史から、次代の日本のあるべき姿を提言する。
新書 (2023/4/13) (朝日新書)
■内容紹介]■
日清・日露戦争で日本の負け。太平洋戦争では勝った!
常識や定説をひっくり返し、山縣有朋からプーチンまでの近現代史の本質に重層的に迫る。
著者はこう記す。
「歴史とは『現在の影絵』である」。
――現在の私たちにも反映している史実に対して、 誠実に向きあわなければならない。
しかし、「史実に貼られているレッテルを容易に信じてはいけない」。
レッテル、つまりは常識や定説の裏側を見きわめることが重要だと述べる。
そのための「発想の転換」が必要だという。
発想を転換すれば、戦争の「勝ち負け」も全く異なる様相となる。
「戦争は国家が目的を掲げて行うものだ。
その目的を達成していない戦争は、戦闘には勝ったが戦争には負けたとなる。
また、たとえ目的を達成したとしても、半永久的に恨みが残ったり、復讐されたりする。
それも勝ったとは言えない」
結局、「戦争は敗者の選択」だという。
近現代史研究の第一人者からの真摯なる問題提起。
「核戦争の時代」のなかで最も求められる、待望の一冊!
〈目次から〉
【第1章】 戦争の勝利・敗北とは、何なのか
(T)ロシア・ウクライナがたどり着く終戦(U)
戦争の本質を世界史に探る(V)
日本独自の「原価計算」がもたらした悲劇(W)
戦争で失ったものを戦争で取り返すという思想
【第2章】 日清戦争は日本の負け――眠れる獅子から得た賠償金の罠
(T)小さな国の大いなる船出(U)日本が体験した「第1の戦間期」
【第3章】 日露戦争は敗北――ロシアから強いられた臥薪嘗胆
(T)静止画像に写っている戦闘(U)第2の戦間期
【第4章】 第一次世界大戦の危険な果実
(T)国家総力戦への大転換(U)第3の戦間期
【第5章】 アジア・太平洋戦争は「勝ち」――真の利害得失
(T)誰のための戦争か(U)戦間期の思想と日本
【終章】 核の時代の勝利と敗北
(T)世界は今、再び戦間期なのか?(U)破壊と建設、加害と被害
単行本(2023/3/2) (講談社)
■内容紹介]■
「蒸気機関車は六輛ほどの車輌を率いながら走っている。
僕とすすむさんは最後尾の客車のデッキに立ちながら、木製の扉の前に身を寄せていた。
通勤の大人たち数人がやはりデッキに立っていて、
新聞を読んだり、タバコの煙を吐きだしたりしている。
「誰も口をきかず、列車の揺れに身を任せていた。」
昭和27年春、札幌の中学に通うため汽車に乗った二人の少年は、30年余を経たのちに再会します。
ひとりは気鋭のノンフィクション作家になり、ひとりは学生運動の闘士から経済学者、
さらには保守的思想家へと転じていました。
再会してから30年、突然の別れがやってきます。
すすむさん=Nが自裁したのです。
「斎場の隅にいる私たちのところに近づいてきたのは、Nの兄のMさんであった。
」ああそういえばもう六十年以上も会っていない。
しかしその面差しは依然として柔らかく、そして人を包みこむようであった。
外套を脱ぐなり、握手を求めてきて、私の顔を見るなり
その穏和な顔に涙が流れるのを隠そうとしなかった。
私も涙が止まらなくなった。「十三歳のときからの友だちだったんだからね……」
Mさんの言葉に、私のなかで耐えていたものが一気に爆発した。
私は人目も憚らず涙を流しつづけた。
そして二人でふたたび棺に近づき、蓋を開けてもらい、その顔を見つめつづけた。
いっしょに見ていると、表情は動き出しそうで、目を細めて口を尖らせて、
吃音気味に話すあのころに戻ったように感じられた。
私はMさんと札幌の、白石と厚別の思い出話を、Nに聞こえるように、
なんどもくりかえすように話しつづけた。
私はNが亡くなったとの報に接してから初めて、悲嘆という感情に触れた。」
あのときのすすむさん=Nの眼に映じていたものはなんだったのか……。
不意にいくつかの光景がきれぎれに甦り、その呟きを心耳にふたたび
聞いた著者はさながら廻廊を経めぐるように思いを深め、
60年の歳月を往還しながら友の内実に触れるべく筆を進めていくのです
新書(2022/12/16) ( PHP研究所)
■内容紹介]■
日本人の心情と生活の根底には、鎖国時代に培われた実利主義が延々と生きている。
しかしその伝統的実利主義を放棄してしまった時代があった。
勝つ見込みのない戦争に突入した、昭和前期である──。
戦争の悲劇が生まれた根本的な原因に迫るほか、令和の為政者が昭和史から学ぶべきこと、「報道されなかった東南海地震」
「ローマ字社会になりかけた日本」などの昭和史秘史を紐解く。
さらに、東京帝大時代に100メートル走の未公認世界記録を出した外交官藤井実、
翼賛政治会を議会で批判した中野正剛など、語り継ぎたい日本人についても取り上げる。
(目次より)
●「抽象的理想」の蔓延が日本の危機
●永井荷風の虚無
●報道されなかった東南海地震
●ローマ字社会になりかけた日本
●スターリンの北海道出兵計画
●台湾の指導者の日本観
●昭和天皇の摂政時代
●「昭和8年」の警告
●あさま山荘事件――戦前と戦後 交錯の瞬間
●特攻に反対した部隊長
●議会人の誇りを示した中野正剛
●驚くべき世界記録を出した藤井実
●自衛隊を出動させなかった赤城長官――60年安保
●「半藤史観」継承へ
Kindle版(2022/11/30) (中央公論新社)
■内容紹介]■
戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動を取り続けた昭和天皇。
御製、会見、側近の証言など多岐にわたる貴重な資料をもとに、
その八十七年の生涯を辿りながら、「昭和の意味」を浮き彫りにし、
日本という国、天皇という存在の全体的意義を改めて問い直す。
昭和史研究の第一人者による労作。
目次
プロローグ 崩御のとき――昭和六十四年一月
T 帝王教育とヨーロッパ外遊
U 軍部暴走の時代
V 日米戦争突入へ
W 終戦、国民とともに
X 皇太子結婚と経済成長
Y ヨーロッパ再訪とアメリカ訪問
Z 天皇と経済大国日本
[ 寡黙な当事者
エピローグ 平成時代の幕開け
主要参考文献
関連年表
補章一 歴史になっていく「昭和天皇」
補章二 昭和天皇の秘められし「言語空間」
あとがき
文庫版あとがき
世代の昭和史
「戦争要員世代」と「少国民世代」からの告発
|
単行本(2022/10/5) (毎日新聞出版)
■内容紹介]■
戦争体験を継承するために、現代史研究の第一人者が世代論によって
歴史を見つめ直すライフワーク
共通する歴史体験は世代を形成し、世代はまた相通じ合う歴史観を生み出していく。
現代史研究の第一人者が、世代論によって昭和史を見つめ直し、
真に語り継ぐべき新たな「国民の歴史」の構築を目指す。
司馬?太郎、吉田満、遠藤周作、鶴見俊輔、古山高麗雄ら、戦争で最も死者が多かった世代は、
自らの体験を見つめたうえで、先行世代の「戦争責任」をどのように告発したか。
そして、半藤一利、なかにし礼、小田実、野坂昭如ら、戦後民主主義第一世代は、
戦争の何を見て、平和の語り部となったのか。
世代体験と人間の文化について、かつてない重みと広がりを持った国民的歴史書となる。
裏切りの日本近現代史-ロシアのウクライナ侵攻、そして日本
|
(ソフトカバー)単行本(2022/9/5) (日刊現代)
■内容紹介]■
2022年、ウクライナ時間の2月24日午前5時、ロシアはウクライナ東部への侵攻を開始した。
このニュースは、全世界に衝撃を与えた。
これに対して、米英仏独の主要西側国はウクライナへの武器供与、
ロシアへのさまざまな経済制裁によるウクライナ支援を進めた。
日本もまたロシアに対する経済制裁を開始した。
だが、ロシアのプーチン大統領はこの侵攻について
「ウクライナの非軍事化と非ナチス化」「自国を守る権利を持つ主権国家の決定」と正当化した。
侵攻当初、ロシア、ウクライナ両国による停戦協議も行われたが、
合意は得られず、戦闘はまさに泥沼化の様相を呈している。
こうした世界状況の中、日本においては、「日本国憲法」のもと戦争放棄を定めた
「平和主義」の見直しを求める声も高まりつつある。
「明治維新から太平洋戦争敗戦まで77年、敗戦から2022年まで77年」
本書の著者は、こうした世界の動向を踏まえながら、
2022年をある意味で歴史の転換期として位置づけるのではないか、と考える。
本書は、導入部としてロシアのウクライナ侵攻に触れつつ、
実証的視点から「独裁者、戦争」をキーワードに日本の近現代史の本質を鋭く抉ったものである。
-主な内容-
◆第1章「プーチンの背徳」――泥沼のウクライナ
◆第2章「独裁者の運命」――その栄光と末路
◆第3章「占領下のドラマ」――マッカーサ―と日本国民
◆第4章「指導者たちの行方」――歴史登場者の真価
◆第5章「裏切られた者たち」――戦争の実相と庶民の抵抗
ムック(2022/7/21) (文藝春秋)
辻田真佐憲 (編), 保阪 正康 (編)
■内容紹介]■
はじめに 保阪正康
1、主役たちの肉声と手記 編・保阪正康
山本五十六が語るロンドン軍縮会議の内幕
私が見た元老西園寺公望 近衛文麿
松岡洋右、連盟脱退後の心境を明かす
「東洋のローレンス」の中国生活三十年史 土肥原賢二(陸軍中将)
失脚した真崎甚三郎に弁明を聞く 有明六郎
南京攻略司令官 松井石根が「反中」を叱る
「悲劇の宰相」広田弘毅のスパイ時代とソ連観
木戸幸一、昭和天皇の苦悩を語る 大平進一
満洲のメディア王・甘粕正彦、新聞雑誌に物申す
東條英機 最後の日記
コラム ロシア文学を語る 荒木貞夫(陸軍大将)
2、軍人の素顔 編・保阪正康
父、渡辺錠太郎を殺した軍人 渡辺和子
満洲事変を起こした板垣征四郎は泣き虫だった 板垣賛造(実兄)
山本元帥の生家を訪ねる 『オール読物』編集部
同級生が語る畑俊六元帥の秘話 塩野季彦(司法大臣)
部下から見た石原莞爾の哲人的生涯 田中新一(陸軍中将)
コラム 松岡洋右さんをやり込めた話 今村均(陸軍大将)
3、作家たちの戦争 編・辻田真佐憲
菊池寛・軍神西住戦車長の母に会う
海軍宣伝班時代の思い出 井伏鱒二
剣豪小説家 五味康祐の従軍記
敗戦の年の将校生徒 西村京太郎
弱兵奮戦録 大岡昇平
「田辺写真館焼失」母は強し 田辺聖子
4、戦場の証言 編・保阪正康
真珠湾までの山本五十六 福留?(海軍中将)
文藝春秋社員 戦場の手記 鷲尾洋三(『話』編集部員)
吉川英治が将校たちに航空戦の実態を聞く
「マレーの虎」山下奉文、幻の手記 保阪正康(ノンフィクション作家)
日本陸軍の最後 下村定(陸軍大将)
コラム 我れ若し従軍すれば 古川ロッパ(喜劇役者)
5、取材者たちの記録 編・辻田真佐憲
二二六事件、被害者宅を連続訪問する
戦時下の銀座、浅草を飲み歩く 小野佐世男(漫画家・エッセイスト)
頭山満 蒋介石と相撲を語る 鈴木氏亨(文藝春秋常務)
生きている十三人の大将 村上兵衛(評論家)
鎮魂曲・特攻の妻たち 澤地久枝(ノンフィクション作家)
特別企画 文藝春秋の昭和十六年十二月八日 平山周吉(雑文家)
6、私の戦争体験 編・辻田真佐憲
特別対談 アスリートの見た戦場 沢村栄治(プロ野球選手)×笹崎?(プロボクサー)
戦時下を生きた九人の記憶
終戦までの苦しかった日々 三笠宮崇仁親王
戦友を焼いた日 中曾根康弘(首相)
最悪の戦場を生き残った 水木しげる(漫画家)
特攻隊員としての日々 千玄室(裏千家家元)
本気で米兵を殺そうとした 橋田壽賀子(脚本家)
十四歳少女の見た沖縄戦 佐藤安枝(佐藤優母)
モテ放題だった学徒兵 丹波哲郎(俳優)
長崎原爆 悪魔の光を見た 美輪明宏(歌手)
日本兵捕虜の涙 ドナルド・キーン(日本文学研究者)
座談会 満洲のいちばん長い日
澤地久枝、ジェームス三木、藤原作弥、小澤俊夫、神代善雄、福永?生、天野博之
司会 保阪正康
命からがら逃げた東京大空襲 半藤一利(作家)
おわりに 辻田真佐憲
新書(2022/6/13) (朝日新聞出版)
池上 彰 (著), 保阪 正康 (著)
■内容紹介]■
ウクライナ戦争は、第三次世界大戦勃発の「序章」なのか! ?
格差と分断、天皇制の変容、気候変動、リーダーの劣化、危うい民主主義――
いま私たちが直面している様々な危機は、いつから始まり、どんな悲劇をもたらすのか! ?
日本は「新たな帝国主義の時代」に、生き残れるのか! ?
答えは歴史の中にある!
歴史には「潮目」の変化がある。
たとえば戦争に至る道も一直線ではない。
どこかの分岐点で流れが決定的に変わり、その予兆があったはずだ。
しかし、流れの真っただ中にいると、なかなか気づけない。
世界が混沌の度を深める今こそ、そうした予兆を厳正に見極める眼が重要になる。
二大ジャーナリストの熱論が、日本の運命を切り開く!
(目次)
【 序章 】ウクライナの運命
【第1章】日本の常識、非常識
【第2章】時代転換の「芽」
【第3章】格差という「原動力」
【第4章】地球が悲鳴を上げている!
【第5章】リーダーの器
【第6章】自分の手で社会を変えられるか?
関口宏・保阪正康の もう一度!近現代史 帝国日本の過
ち
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単行本(ソフトカバー)(2022/4/28) (講談社)
保阪 正康 (著), 関口 宏 (著)
■内容紹介]■
読者から待望の声殺到の大人気シリーズ、ついに完結!
昭和11年の二・二六事件から、昭和20年8月15日の玉音放送までの10年間。
満州事変、国連脱退、日中戦争、ノモンハン事件と、領土拡張への
野望を隠さない日本軍部。政党政治も、皇族宰相も、そして天皇も、
その暴走を止めることはできなかった。
1941年12月8日、マレー半島コタバルへの上陸、および真珠湾攻撃によって
はじまった対英米戦争は、やがて全世界の連合国47ヵ国を敵に回す絶望的な戦闘へとドロ沼化する。
いっぽう、中国の蒋介石は、妻の宋美齢がたびたびワシントンに飛び、
日本を相手に戦うことの正当性を訴え、支援を取り付けることに成功する。
アメリカ、イギリス、ソ連は中国を連合国の主要な一員と認定し、
この枠組みは、戦後の国際秩序にも反映されることになる。
ビルマの首都ラングーンから、蒋介石政権の根拠地・南京を結ぶ「援蒋ルート」によって
送り込まれた武器弾薬、および支援物資は、中国の抗日戦争を支えつづけた。
日本軍はミッドウェー海戦をきっかけに太平洋でも敗戦を重ね、
南海のガダルカナル島争奪戦でも壊滅的な打撃を受けた。
東南アジアでも「史上最悪の作戦」と言われたインパール作戦など兵站・補給を無視し、
戦力差をことさら軽視し、精神力のみに頼った日本の戦争は、やがて、
人間の命をも兵器として利用する「特攻」という史上類例をみない過ちへと突き進んでいく。
自らの責任を追及されることを恐れ、面子にのみこだわった軍部は、それでも戦争を止められなかった。
東京大空襲による大火災で、民間人に多数の死傷者を出し、沖縄上陸戦で多くの人が命を落とし、
広島・長崎への原子力爆弾投下という悲劇を招いても、なお自らの過ちを認めようとしなかった。
当時44歳の天皇は、「無条件降伏」という重い決断を一身に背負う――。
昭和史研究の第一人者と名司会者が語り合う、戦争の悲劇。
文庫本(2022/4/11) (筑摩書房)
■内容紹介]■
吉良邸討入、大塩平八郎の乱、秩父困民党、西南戦争、足尾鉱毒事件、満州事変などで、
歴史に名を遺す10人の異端者たちの人物像、思想に迫る。
新書 (2022/1/11) ( NHK出版)
半藤 一利 (著), 保阪 正康 (解説)
■内容紹介]■
「昭和史の語り部」がのこした、戦争を起こさないための五箇条!
ベストセラー「昭和史」シリーズをはじめ、
「昭和史の語り部」としてたくさんの戦争関連書をのこした半藤一利さん。
「戦争というものは、本当に人間がやってはならない一番最大の悪です」。
本書は、半藤さんが現代日本人に伝えようとした
「大切なこと」を、没後一年を機に、生前のNHKラジオ番組での
「語り」をもとに再構成して書籍化するものです。
戦時中の少年期から戦後の青年期、文藝春秋時代、そして作家時代と、
激動期を生きた半藤さんの一代記に、盟友・保阪正康氏の解説が加わることで、
一人の日本人の私史が日本人全体の昭和史へと昇華していきます。
一、 勝ったという経験は、人間を反省させないし、利口にもしません
二、 教育によって国というのは立つんです。経済によっては立たない
三、 大きく変革するときに、人間というものは正体を現すんですよ
四、 のこしておけば、あとの人が、真実に近づくことができます
五、 歴史を自分で学んでいくことを積極的にやってください
関口宏・保阪正康の もう一度! 近現代史 戦争の時代へ
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単行本(ソフトカバー)(2021/11/18) (講談社)
保阪 正康 (著), 関口 宏 (著)
■内容紹介]■
日清・日露戦争に勝利し、朝鮮半島、南樺太、
そして南満州鉄道を手に入れた日本は、強大化した
軍事力を背景に一等国の仲間入りを果たした。
迎えた大正時代は、政争に始まった。山縣有朋を筆頭とする
明治の元勲・藩閥勢力と、議会政治の確立を目指す勢力が激しく争い、
民衆もそれに呼応して護憲運動が起こった。
まもなくヨーロッパで第一次世界大戦が勃発し、ロシア、ドイツで革命が起こって帝政が崩壊すると、
日本はその間隙を縫うようにして権益を確保しようと目論む。
ドイツが支配していた中国の港湾都市・中国を強引に奪い取り、シベリアにも出兵した。
日本は、「遅れてきた帝国主義国家」となった。
国力の伸長を国民も支持し、陸軍の暴走を追認する形で、軍事国家への道を歩み始める。
天皇の体調が思わしくなかった大正後期には軍事行動を自重していた陸軍も、
昭和に改元されると、すぐさま満州事変を起こし、
さらに柳条湖事変によって中国大陸の奥深くへと侵攻していく。
傀儡国家・満州国建設のため、清朝のラストエンペラー溥儀を天津の日本租界に匿い、
日本の保護下に置いた。さらに男装の麗人と言われたスパイ・川島芳子が溥儀の妻・婉容を
言葉巧みに連れ出し、満州国建設の準備を進める。
一方国内では血盟団事件、五・一五事件など要人をターゲットにしたテロ事件が続発、
ついには、東京に戒厳令が敷かれる二・二六事件が勃発する――。
新興国・日本が経済力と軍事力に自信を深め、欧米列強に伍する新たな
一等国として成り上がろうとした、野望の時代。
目的のためには手段を選ばずあらゆる謀略を駆使し、目を覆うような残虐行為が横行する一方、
華やかな大正文化が勃興した
大正~昭和11年初頭までを描く、大人気シリーズ待望の第二弾。
単行本(ソフトカバー)(2021/12/1) (東京新聞)
保阪 正康 (監修)
■内容紹介]■
日本近現代史の語り部が論客たちと紡いだ平和への願い。
「歴史探偵」として日本の近現代史を究め、多くの著作を発表、
2021年1月12日に亡くなった作家・半藤一利さん。
その探求心をつき動かしたのは「戦争のない、平和な世の中を続ける」こと。
新聞紙上で残した対談も、「戦争」「憲法」「天皇」など過去を知り、検証し、
未来につなげるための道標となるものばかりだ。
これら珠玉の対談を埋もれさせまいと、盟友・保阪正康氏を監修に迎え、
保阪氏はもちろん、作家・田口ランディ氏、日本近現代史が専門の
古川隆久氏、半藤氏の親友で国文学者の中西進氏を相手にした、
計7本の対談を1冊にまとめた。
折に触れて新聞に寄せた見識やエッセイストで半藤氏の妻・半藤未利子氏の寄稿も収録。
新書 (2021/10/13) (朝日新聞出版)
■内容紹介]■
2.26事件の蹶起趣意書、三島由紀夫の「檄」など、昭和史に残る檄文に秘められた真実に迫る。
象徴としてのお務めについての天皇(現上皇)陛下のおことば、
亡くなった翁長前沖縄県知事の信念など、印象に残る平成のメッセージについても論じる。
新書 (2021/7/12) ( NHK出版)
半藤 一利 (著), 加藤 陽子 (著), 保阪 正康 (著)
■内容紹介]■
満州事変から、真珠湾攻撃へ―― 亡国へと導いた6つの分岐点を見る
2017年の終戦の日、昭和史研究のスペシャリスト3人が
集結して話題を呼んだNHKラジオ番組「太平洋戦争への道」。
本書は、その貴重な鼎談に、保阪正康氏の解説と図版・写真を加えた
「日米開戦80年企画」として刊行するものです。
1931年の満州事変から1941年の真珠湾攻撃へと至るその過程には、
見逃せない6つの分岐点があったと3人は口をそろえます。
各氏の視点と語り口が絶妙に交差しながら、昭和日本の闇へと迫る展開は、
歴史好きの方にはもちろん、一般の方にも重層的な歴史理解を促すに違いありません。
私たちは歴史から何を学ぶべきなのか。
昭和日本が犯した「最大の失敗」から、令和日本が進むべき道を提言します。
序 章 太平洋戦争とは何か
第一章 関東軍の暴走 1931 満州事変 - 1932 満州国建国
第二章 国際協調の放棄 1931 リットン報告書 - 1933 国際連盟脱退
第三章 言論・思想の統制 1932 五・一五事件 - 1936 二・二六事件
第四章 中国侵攻の拡大 1937 盧溝橋事件 - 1938 国家総動員法制定
第五章 三国同盟の締結 1939 第二次世界大戦勃発 - 1940 日独伊三国同盟
第六章 日米交渉の失敗 1941 野村・ハル会談 - 真珠湾攻撃
終 章 私たちが学ぶべき教訓
単行本 (2021/3/26) (幻戯書房)
■内容紹介]■
『永遠の0』への不審、『昭和天皇実録』編纂者の虚実。
197冊が教える歴史上の意味。
第一人者による初のブックガイド
便利な人名索引付
「書評とは、その本の著者の個人的感情よりも、本そのものの持つ社会性や歴史的意味を問うのが使命だと私は思っている」
【本文より】
昭和の軍人が単調で思い込みが激しく、自制や自省に欠けていたのは、読書量が少なかったからである。
感性が育つと面倒との理由で、軍人教育ではむしろ一般書や教養書は読むなと厳命されていた。
逆に、本をよく読んだタイプは戦争に消極的で、その終結に努力した。
これは歴史的事実で、記憶しておくべき点である。(序章 私の書評論)
本に向き合うということは、著者が背負ってきた時間、つまり著者の人生に対峙することでもある。読者の姿勢も自ずと問われよう。
むろんすべての読書がそのような緊張感に縛られるものではない。
ただ、何らかの学識や知恵、あるいは良識を身につける機会を与えてくれる本と向き合う時は、
相応の姿勢、態度が求められると思う。(序章 私の書評論)
単行本 (2021/3/26) (東洋経済新報社)
■内容紹介]■
石橋湛山は首相としての在任期間がわずか65日である。
近代日本史の上では最短に近い。
しかし私は、「最短の在任、最大の業績」と思っている。
これに対峙するのは「最長の在任、最小の事績」という言い方をしている。
石橋はわずかの期間だったが、言論人の時の自らの信念が政治の
年賦に刻まれていると思えば、宰相の意味も変わってくるし、その重みも他の総理とは異なっている。
最長の首相がさしたる事績が残さなかったとするならば、そこに比較しても
首相の格の違いが浮き彫りになるだけではないだろうか。
石橋はその短い在任期間に、首相というのは日頃から
思想や哲学を明確にしておくことの重要性を教えた。
首相が何を目指し、どのような方向に、この国を率いていくのか、そのことを国民は知りたい。
それは首相を目指す政治家が日頃から信念を発信する姿勢を持たなければならないように思う。
石橋を真似せよ、と強調しておきたいのである。
──〈おわりに〉より
太平洋戦争の終戦から10年余の時を経た昭和31年、国内政治の民主化と
自主外交を旗印にした石橋湛山政権が誕生した。
だが、わずか65日の短命で終わる――。
そして、日本は自主性なき外交の道を歩み出した。
戦前・戦中から一貫して小日本主義、反ファシズムを唱え続けた反骨の言論人が、
戦後、政治家の道を歩み、首相の座を降りるまでの激動の保守政治の
史実を克明に描き、短命に終わったまぼろしの政権≠ェ日本人に
投げかけた謎に迫るノンフィクション。
新型コロナウイルスの未曾有の危機が立ち去った後、日本の
前途は洋々たりと歩むために立ち返るべき、もう一つの戦後史!
日刊ゲンダイ連載「日本史 縦横無尽」が新書版「陰謀の日本近現代史」(朝日新聞出版 890円+税)として刊行されました。
連載開始の2019年4月〜20年9月の記事から読み応えのある項目を厳選した決定版です。
新書(2021/1/13) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
いつの世も、知恵と知恵の戦いが歴史をつくる。
時にそれを「陰謀」という。
よく知られた史実も、
本来は何者かの陰謀の産物かもしれない――。
必敗の対米開戦を決定づけた「空白の一日」、ルーズベルトが日本に仕掛けた「罠」、西郷隆盛が見誤った「会津の恨み」
、「天皇がいて、いなかった」大正の特異な5年間、大杉栄虐殺の真犯人、特攻攻撃の本当の責任者、
瀬島龍三が握りつぶした極秘電報の中身……。
歴史は陰謀に満ち満ちている。そして真相は、常に闇に閉ざされる。
近現代史研究の第一人者が、その闇に光を当てる。
あの戦争を中心に、明治以降の重大事件の裏面と人物の命運を史料と肉声で検証。
「真実」を明らかにする!
――目次――
【第1部】 陰謀の近現代史
第1章 仕組まれた日米開戦
第2章 事件の伏線、人物の命運
【第2部】 歴史から問われる、大局観
第3章 戦争に凝縮された日本的特質
第4章 歴史の闇を照射する記録と証言
文庫 (2020/12/7) (朝日新聞出版)
■内容紹介]■
昭和24年の刊行以来300万部近く売れた戦没学徒の遺稿集である『きけわだつみのこえ』。
この感動の書が、改ざんされ、政治利用されたことはあまり知られていない。
学徒たちの右翼的表現や戦争謳歌が削除され、遺族の編集意図からかけ離れた不当な改ざんが行われていった。それはなぜか。
東西冷戦や「わだつみ会」の内部紛争のなかで、国民的遺産ともいえるこの書はいかに踏みにじられていったのか。
戦後の反戦運動の行き過ぎた一面を浮かび上がらせる、昭和史研究の第一人者の隠れた名著。
目次
【 序章 】 戦没学徒と私
【第一章】 『きけわだつみのこえ』の誕生
【第二章】 バイブルへの道
【第三章】 倒された「わだつみ像」
【第四章】 「反天皇制」の中で
【第五章】 戦没学徒の「戦争責任」
【第六章】 追放された遺族
【第七章】 わだつみ学徒、五十年後の「死」
【 終章 】 次代にとっての「わだつみ」
新書 (2020/10/22) (河出書房新社)
■内容紹介]■
最大野党として力を持ちつつも、激しい党内闘争と保守からの切り崩しによって消滅した社会党とは何だったのか。
もうひとつの昭和史。
戦後、野党第一党の位置を不動のものにしながら、内部抗争を繰り返し、
幾度ものチャンスを生かせぬまま、ついに消え去った社会党。
この混迷はいまのリベラルをかかげる野党にもひきつがれている。
昭和とともに忘れかけられた戦後左派の栄光と悲惨を現代のために見直す。
単行本(ソフトカバー)(2020/10/8) (講談社)
保阪 正康 (著), 関口 宏 (著)
■内容紹介]■
1867年、江戸城無血開城。そのとき、大奥の女性たちはどこへ行った!?
近現代史の知られざるトリビアを、名司会者関口氏と、近現代史研究の第一人者保阪正康氏が楽しく語り合う!
どっちがホンモノ? 2枚の「大政奉還絵図」
徳川家茂、孝明天皇の急死と「暗殺説」の真相
幕府軍を追い詰めた「錦の御旗」を創作した男
江戸城開城! 大奥千人の美女はどこへ消えた?
函館陥落! 敵将・榎本武揚「投降」の手みやげ
廃藩置県ーー二七〇藩を「恩讐」で再編した新政府
飛脚から電信へ 文明開花で郵便ポストに小便する人
「日本人は小便臭い!」岩倉使節団男女一〇七人の珍道中
混浴は禁止! ガス灯、学制、牛肉食、鉄道敷設
農家の次男、三男たちの「徴兵逃れ」マル秘作戦
命懸けで「朝鮮派遣」を訴えた西郷の覚悟
台湾出兵という政治的賭けに勝った大久保の絶頂
安政五年のリベンジ・朝鮮に圧力をかける日本
「ボウズヲシサツセヨ」西郷隆盛暗殺計画
西郷vs新政府 西南戦争を演出した欧州の武器商人
冷徹・冷酷の政治家 大久保利通の最期
天皇を守る軍・近衛兵の反乱と山縣有朋の長州閥
明治天皇が命名した靖国神社と国歌・君が代誕生秘話
明治のパンデミック・コレラ大流行で死者10万人
カメハメハの七代目、ハワイ国王カラカウアが来日!
日本初の汚職・北海道官有物払い下げ事件
自由之介、自由太郎、「自由」ブーム、到来!
鹿鳴館でモテモテだった美女・陸奥亮子と勝海舟の批判
素行不良に、色恋沙汰 華族たちの事件簿
「今太閤」と言われた農民出身宰相・伊藤博文
日本人のみ25人が死亡したノルマントン号の悲劇
「わが国では宗教が弱い」憲法審議伊藤の演説
憲法発布でお祭り騒ぎの日本人を見た外国人の嘲笑
完成早々焼け落ちた国会議事堂とロシア皇太子襲撃事件
西太后率いる清を撃破! 日本陸海軍はなぜ勝てたのか
昭和史七つの謎と七大事件 戦争、軍隊、官僚、そして日本人
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新書(2020/7/10) (角川新書)
■内容紹介]■
新版まえがき
第一部 太平洋戦争、七つの謎
はじめに
第一章 誰が開戦を決めたのか?
第二章 戦時下の国民は戦争をどう捉えていたのか?
第三章 山本五十六はなぜ前線に行って死んだのか?
第四章 なぜ人を武器にする戦略が生まれたのか?
第五章 日本の軍事指導者たちの敗戦の理由
第六章 誰が終戦を決めたのか?
第七章 もし本土決戦が行われていたらどうなっていたのか?
おわりに
あとがき
第二部 日本を変えた昭和史七大事件
はじめに
第一章 五・一五事件のもうひとつの顔
第二章 青年将校たちの精神と二・二六事件
第三章 太平洋戦争・「誤謬の東條首相」と閣僚
第四章 占領初期・日本国憲法制定と日本の官僚たち
第五章 戦後派世代の生理的嫌悪感と六〇年安保闘争
第六章 三島事件と戦後社会の不可視空間
第七章 田中角栄元首相逮捕という政争 ロッキード事件
おわりに
新書(2020/6/17) (講談社現代新書)
■内容紹介]■
激動の時代を生き抜くために、これだけは言っておきたいーー。
私たちは、近現代史から何を学ぶべきか?
ノンフィクション作家・保阪正康による、歴史の大局観を養うための迫真の講義。
★緊急書下ろし「コロナと近代日本」を収録!
なぜ日本は「たった14年」で壊滅したのか?
高度経済成長が「戦争の失敗」を繰り返したのはなぜか?
明治日本はなぜ「帝国主義国家」以外の道を選べなかったのか?
戦前の日本が軍事学を軽視した背景とは?
「天皇がいるけれどいない」大正の5年間は私たちに何を教えるのか?
日本のファシズム体制を形成するプロセス「三段跳び理論」とは?
「コロナ危機」を前に歴史から学ぶべきこととは?
私たちが必ず知らなければならない「歴史の教訓」が、ここにある。
負けてたまるか! 日本人
私たちは歴史から何を学ぶか
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新書(2020/5/13) 朝日新聞出版
丹羽宇一郎 (著), 保阪正康 (著)
■内容紹介]■
「これでは企業も国家も滅びる!」。
新ウイルスの災厄に見舞われた世界情勢の中、
日本の行方と日本人の生き方もまた、
かつてなく混迷と不安の度を深めている。
今こそ、確かな指針が必要だ。
ともに傘寿を迎えた両者。
経済と外交で体得した知見と、
近現代史研究第一人者の卓見が待望の初顔合わせ。
[目次]
はじめに・・・社会不安の時代から、次代への「申し送り」/ 保阪正康
【 序章 】 1945年の記憶から始めよう
【第1章】 なぜ歴史を伝えなければならないのか
【第2章】 戦争を直視する
【第3章】 日本社会の「空気」と「リーダー」のありかた
【第4章】 「批判」する勇気ーーアメリカ、天皇、朝鮮半島
【第5章】 日本と中国の関係を考える
【第6章】 2020年からの日本と日本人
【第7章】 読書のすすめ
【 終章 】 未来と過去からの問いかけ
おわりに・・・小さな蟻は何を見ているのか / 丹羽宇一郎
新書(2020/4/16) 新潮社
■内容紹介]■
「国民の九割強は良心を持たない」――
芥川龍之介の言葉を裏付けるかのように、
時流におもねる偽善は、軍人にかぎらず政治家や知識人、
多くの大人たちにも見てとれる。
三百万を超える犠牲者を出したあの戦争、
敗戦とともに始まった戦後民主主義……
日本人は、いったいどこで何を間違えたのか。
近現代の名作に刻まれた一文を手掛かりに多彩な史実をひもとき、
過去から未来へと連鎖する歴史の本質を探りだす。
目次
一 昭和の戦争とは何だったのか
二 日本の政治家には二つの顔がある
三 戦争は国民の支援がなければ起こりえない
四 今日の小利を捨て明日の大利を得る
五 時代に生きるか、歴史に生きるか、逃げるか
六 つまりは、誰のための戦争だったか
七 知識人の喧嘩にはひと味の苦みを
八 江戸期と近代精神には深い溝がある
九 「歴史」の中に位置する自分を裁く
十 「聖」を求めて「俗」の天下へ
十一 歴史には予兆となる動きがある
十二 時代は夫婦像によって作られる
十三 農村の弱さは生きるための知恵だった
十四 「お母さーん」は歴史への意義申し立てだった
十五 現人神は二度、人間の感情を見せた
十六 言論人は時代とどう関わるか
十七 民主主義とは逃げることである
十八 戦後の、裸の王様たちよ
十九 国家意思そのものの涙で現実を知る
二十 主観と客観、国家にも二つの死がある
単行本(2020/4/10) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
占領期のGHQとの交渉、経済的自立、国際社会への復帰という功績の一方で、
戦後の官僚依存、対米協調など、
吉田茂が残していった戦後政治の矛盾は現代にまで尾を引いている。
吉田茂は、明治の元勲たちを心から尊敬し、
自らも宮廷官僚として歴史に生きることに非常に自覚的な政治家だった。
彼が信じ、軍国主義真っ只中でも決して曲げなかった「日本の進むべき道」とは何だったのか。
戦後最大の宰相・吉田茂の功罪と実像を描く著者渾身の大作。
目次
【 序章 】 エリート主義と庶民性
【第1章】 三人の父親(実父・養父・岳父)の精神とその継承者
【第2章】 外辺に立つ「宮廷官僚」の反枢軸路線
【第3章】 日米開戦前後、焦慮と敗北の日々
【第4章】 戦時下の孤独な終戦工作者
【第5章】 再生日本の守護者という道
【第6章】 「吉田時代」、その戦いの前史
【第7章】 歴史に呼ばれた政治指導者
【第8章】 占領政策とワンマン体制
【第9章】 独立の回復ともう一つの現実
【第10章】 老指導者の弧影、その実像
【第11章】 「昭和」の清算と託された歴史意思
【 終章 】 「私」と「公」、そのふたつの死
主要参考文献
吉田茂年譜
吉田茂系図
オンデマンド (ペーパーバック) (2020/2/1) 平凡社
■内容紹介]■
平成は後世どのように総括されるか。
政治の劣化、オウム真理教事件、天災と人災……。
その始まりでバブル崩壊に直面し、
長く続く経済停滞はこの時代に暗い影を落とす。
だが、「停滞」や「閉塞」といった言葉だけで、平成は語られるものなのだろうか。
昭和との因果関係をふまえ、平成という時代の深層を読む。
文庫 (2019/12/9) 筑摩書房
■内容紹介]■
太平洋戦争中の情報操作は戦局の悪化とともに激しくなる。
主導した大本営発表の実態と構造を解明する。
歴史の教訓に学ぶための1冊。
解説 望月衣塑子
単行本 (2019/9/24) PHP研究所
■内容紹介]■
著者の執筆の基本は、「事実に触れた人物に会い、話を聞く」ことが第一である。
この姿勢で、4000人以上の昭和史関係者を取材してきた。
膨大な作品の中に取り入れたのは、残念ながらその一部に過ぎず、
重要な証言や史料が、著者の手元にあふれている。
著者はその一端を、自身が主宰する「昭和史を語り継ぐ会」
の機関誌「昭和史講座」に掲載してきた。
本書は、そこで掲載されたものの中から、昭和史ファン垂涎の
7編を選りすぐり、一冊にまとめたものである。
内容は、
1「機密戦争日誌」はいかに保存されたか
2「昭和天皇独白録」の正体
3学徒出陣壮行会で宣誓した学生代表の戦場(江橋慎四郎取材)
4逆さまに押した判子と上司・東条英機(赤松貞雄取材)
5「日本はすごい」と思っていなかった石原莞爾(高木清寿取材)
6本当のところが知られていない東条英機暗殺計画(牛嶋辰熊取材)
7陸軍省軍務局で見た開戦経緯(石井秋穂取材)の7編。
単行本 (2019/8/23) 毎日新聞出版
■内容紹介]■
新たな議論はここから始まる。
平成から令和へ。天皇の代替わりに併走し、同時進行形で書かれた稀有なる思索。
天皇と皇后の役割、父と子の皇位継承物語、天皇とアメリカ、天皇と戦争、
皇室と恋愛など、斬新な視点で天皇制の歴史と未来を照らす。
【本書の内容】
序章 天皇について新たに思考するために
第1章 平成の天皇と象徴天皇制
第2章 崩御と即位―「父と子」の物語
第3章 令和元年の天皇論
第4章 皇室とアメリカ
終章 新しい天皇の時代
新書 (2019/6/20) 文藝春秋
■内容紹介]■
「激変の時代であった昭和には、令和に生きる私たちが迫られる問いに答えるだけの遺産が眠っている」
今だから知りたい戦争と敗北の真実
元首相、陸海軍軍人ら約4000人を取材した第一人者が語り継ぐ定番、
『昭和史入門』(文春新書、2007年刊行)が、「真珠湾『失敗の本質』」、
「総理たちの八月十五日」、「日本は右傾化しているのか」の三章を
新たに加え、増補新版として登場。
昭和史をめぐるブックガイドも、新たに25冊を追加。まさに決定版に。
昭和という時代をゼロから知りたい、戦争という未曾有の事態を改めて理解したい、
そんな読者に、まさに必携の一冊です。
対談 戦争とこの国の150年:
作家たちが考えた「明治から平成」日本のかたち
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単行本 (2019/6/1) 山川出版社
保阪 正康 (著), 西村 京太郎 (著), 池内 紀 (著), 逢坂 剛 (著), 浅田 次郎 (著)
■内容紹介]■
「令和」日本はどこへ行こうとしているのか?ベストセラー『昭和の怪物 七つの謎』の
ノンフィクション作家が稀代のストーリーテラー、博覧強記の作家・エッセイストら
(西村京太郎、池内紀、逢坂剛、浅田次郎、半藤一利)と
明治150年の年にこの国の近現代史のさまざまな論点を語り合った豪華対談集。
新書 (2019/5/14) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
平成は終われど「昭和」は終わらず。
私たちにとっての歴史の学びは、
常に「あの戦争」が原点であり座標軸となる──
著者の膨大な著作から次世代を照らす灯となる言葉、
歴史証人の貴重な肉声を一冊に。
東條英機、吉田茂、田中角栄らの真実に迫る保阪史観の集大成。
単行本(ソフトカバー) (2019/4/12) 大和書房
■内容紹介]■
平成はどのような時代として語り継がれるか。
天皇は何を守り、何を変えようとしたのか。
その手がかりは、この時代に築かれた新しい象徴像にある。
即位から最後の誕生日記者会見に至るまで、
天皇の歩んだ三十年間の足跡を辿り、
平成史の本質を明らかにする、
第一級の論客による決定的議論。
《目次抜粋》
はじめに 保阪正康
序章 平成の誕生――時代の源流をさぐる
・平成のはじまった日
・「人間としての天皇」の原点
・新たな時代の天皇へ
ほか
第一章 父と子――昭和の残像を乗り越え
・先帝への複雑な想い
・明治という時代をどうとらえるか
・親子が語った戦争のこと
ほか
第二章 戦争と平和――歴史を忘却させない
・平和主義への歩み
・師としての小泉信三
・八月十五日に残された言葉
ほか
第三章 災厄と旅――被災地に寄りそうということ
・日本の災害史観
・なぜ天皇は旅をするのか
・心をつないだ沖縄訪問
ほか
第四章 象徴と人間――「あり方」を創造
・平成に築かれた象徴天皇のあり方
・天皇と権力の歴史
・天皇として最後の誕生日に語ったこと
ほか
コラム インターネットの時代 半藤一利
終章 変わるもの、変わらないもの
・平成を表す三つのキーワード
・分断を進めるメディアの変化
・次の時代に引き継ぐべきこと
ほか
おわりに 井上亮
新書 (2019/4/10) 講談社
■内容紹介]■
のべ4000人の元軍人らに取材を重ねてきた昭和を代表する人物のエピソードを通じて
昭和の闇=語られざる真実を語るシリーズ第2弾。
本書では、田中角栄・三島由紀夫・後藤田正晴・橘孝三郎・近衛文麿・伊藤昌哉・野村吉三郎を取り上げる。
「これまでの私の取材を通して知り得たことは、確かに歴史の検証に必要な史実から、
指導者の人間的エピソードに至るまで数多い。
それらを歴史書として現すのではなく、人間学という枠内での書として刊行したいと私は考えるようになった。
この系譜にある前著『昭和の怪物 七つの謎』(講談社現代新書)は、
予想外の多くの人びとに手にとってもらい、これほどまでに
昭和史の人間学が興味を持たれるのかと驚きを持った。
歴史をもっと生身の人間の姿を反映したものとして
表現したいという考えが受け入れられたようで、私には感慨ひとしおであった。
本書はこのシリーズの二冊目になる。
(中略)私は古いノートをとり出しては、かつて聞いた歴史上の人物たちの証言が
今はどのように受け止められるかを考えてみたかった。
言うまでもなく、彼らの人物像を通して、日本の近現代史の流れを確認したかったのである。」
(本書あとがきより)
【本書の構成】
第一章 三島由紀夫は「自裁死」で何を訴えたのか
第二章 近衛文麿はなぜGHQに切り捨てられたのか
第三章 「農本主義者」橘孝三郎はなぜ五・一五事件に参加したのか
第四章 野村吉三郎は「真珠湾騙し討ち」の犯人だったのか
第五章 田中角栄は「自覚せざる社会主義者」だったのか
第六章 伊藤昌哉はなぜ「角栄嫌い」だったのか
第七章 後藤田正晴は「護憲」に何を託したのか
文庫 (2019/4/9) 筑摩書房
■内容紹介]■
農村指導者・橘孝三郎はなぜ五・一五事件に参加したのか。
事件後、民衆は彼らを熱狂的に支持した。
貧困が生み出した歴史の教訓とは。
新書 (2019/3/18) 平凡社
■内容紹介]■
〈平成〉は後世どのように総括されるか。
天皇自らが示した象徴天皇の役割、バブル崩壊後の経済停滞、
大震災、オウム事件……。
昭和との因果関係も含め平成の歴史的意味を考察する。
単行本(ソフトカバー)(2019/2/8) 朝日選書
■内容紹介]■
御製、会見、側近の証言など多岐にわたる貴重な資料をもとに、
昭和天皇の87年の生涯をたどる、昭和史研究の第一人者による労作。
下巻は、戦後、政治に関与せず
日本の精神文化を伝える象徴天皇としてのあり方を模索し続けた後半生を活写する。
単行本(ソフトカバー)(2019/2/8) 朝日選書
■内容紹介]■
戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として
一貫した行動をとり続けた昭和天皇。
その足跡をたどりつつ、
日本という国、日本人にとっての天皇という存在の意義を改めて問い直す。
上巻は誕生から太平洋戦争・終戦まで。
文庫本 (2018/11/28)新潮社
■内容紹介]■
世紀の肉声11分ーーあのビデオメッセージで何が語られたのか?近現代史の泰斗が解き明かす。
このビデオメッセージは、「平成の玉音放送」であり、天皇の「人間宣言」といっていいと思う。
あえていうなら、心と魂の叫びではないかと私には思えるのである。
いや、そう言うべきであろう。天皇も一人の人間であり、感情もある。あるいは御自身で思われることもある……(本文より)
単行本 (2018/12/14)毎日新聞出版
■内容紹介]■
意に反して真珠湾攻撃を指揮し、ミッドウェー海戦、絶望的なガダルカナル戦に突き進んだ
悲劇の軍人を現代史に新たに刻む。
単行本 (2018/9/22)北海道新聞社
■内容紹介]■
昭和史研究の第一人者が語る自らの軌跡、インタビューの心構え、
そして北海道150年。
保阪正康氏が北海道新聞で連載した、戦争を語り継ぐための方法論、
集団的自衛権の行使容認や安保法制の危険性を考察したコラムなどをまとめた一冊。
また、北海道命名から150年を機に、明治初期の北海道への移住の
経緯をひもとき、「道民性」は存在するのか、を解き明かします。
新書 (2018/7/17)講談社
■内容紹介]■
私が出会った歴史証言者
昭和史研究者の第一人者が、これまでに取材した「昭和の怪物」たち本人、
側近の証言から、現在でも残る「闇」にあらためて光をあてる。
私の使命は、昭和前期から無謀な戦争に突入し、悲惨な敗戦を迎えるまでの
記録と教訓を、次世代に繋げることだと考えている、と筆者は言う。
これまで40年以上にわたる近現代史研究で、のべ4000人から貴重な証言を得てきた。
本書でも紹介する東條英機夫人。秘書官・赤松貞夫。
石原莞爾の秘書・木清寿。東條暗殺計画の首謀者・牛島辰熊。
2・26事件で惨殺された陸軍教育総監・渡辺錠太郎の娘、和子。
犬養毅首相の孫娘、道子。瀬島龍三本人。吉田茂の娘、麻生和子などなど。
その証言と発掘した史料により筆者は多くの評伝を書いてきたが、そこに盛り込めなかった史実からあらためて
「昭和の闇」を振り返る。
とくにこれまで一冊にまとめられていなかった石原莞爾については、はじめての原稿となる(初出は「サンデー毎日」)。
目次
第1章 東條英機は何に脅えていたのか
第2章 石原莞爾は東條暗殺計画を知っていたのか
第3章 石原莞爾の「世界最終戦論」とは何だったのか
第4章 犬養毅は襲撃の影を見抜いていたのか
第5章 渡辺和子は死ぬまで誰を赦さなかったのか
第6章 瀬島龍三は史実をどう改竄したのか
第7章 吉田茂はなぜ護憲にこだわったのか
文庫本 (2018/7/9) 筑摩書房
半藤 一利 (著), 竹内 修司 (著), 保阪 正康 (著), 松本 健一 (著)
■内容紹介]■
第二次大戦後の日本は本当に自立できたのか。
再軍備・講和問題・吉田ドクトリン・・・十五のテーマから語り尽くす、占領下から「独立」への道。
ムック (2018/6/23) NHK出版
■内容紹介]■
明治維新から150年、時代に鍛えられた思いとは
政治・経済・思想・文学・科学など、13の各分野で葛藤を続けた先達の生き方に迫る。
現代につながる日本人の精神はどのように醸成されたのか。
単行本 (2018/6/8) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
昭和陸軍の誤謬の責任は誰がとったのか。
また、体制が変わった戦後の日本に、昭和陸軍はどのような影を落としたのだろうか。
誤った指導により、命を落とした無数の兵士たちや国民の存在とは対極にある、
無責任で非人間的な高級軍人の官僚体質を、つぶさに検証していく。
戦後の軍人恩給、戦後補償問題についても言及する。
著者の代表作がここに完結。
単行本 (2018/6/8) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
昭和陸軍はなぜ多くの錯誤を犯したのか。
国家を存亡の危機に陥れ、自らを解体に追い込み、
国民に過酷な運命を強いた昭和陸軍とは、
そもそもどのような組織だったのか。
そもそも太平洋戦争とはなんであったのか。
500人余りの関係者の証言と、膨大な資料から、
その解明を試み実像を描いた著者渾身の力作。
文庫本 (2018/6/7) 筑摩書房
■内容紹介]■
戦争から70年を過ぎ、戦地を体験した人々が少なくなる中、
戦場の記録と記憶をどう受継ぎ歴史に刻んでゆくのか。
新書(2018/4/16) 新潮社
■内容紹介]■
お追従、お節介、しみったれ、臆病者、空とぼけ……
時は流れて世は大きく移り変わっても、人の考えることや
することには、古来変わらない傾向がある。
昭和史の第一人者が、『パンセ』『人さまざま』『徒然草』など
東西の古典をひもときながら、
軍人や政治家、財界人や文士たちの様々な言動をたどる。
善悪のあいだでよろめき続ける人間の悲哀を歴史の断層の中から掘り起こす、大人のための人間学。
文庫本 (2018/1/10) 筑摩書房
■内容紹介]■
社会に衝撃を与えた1970年の三島由紀夫割腹事件はなぜ起きたのか。
憲法、天皇、自衛隊を論じた、時代と軌跡を客観的に描き出す。
解説 鈴木邦男
単行本 (2017/12/21) 筑摩書房
半藤一利/保阪正康
■内容紹介]■
戦争の犠牲の上に成立した日本国憲法。まともな議論もなく変えられようとしている。
明治憲法から現代まで、この国の軍事と政治など、昭和史研究の巨星が論ずる。
文庫本(2017/9/5) 文藝春秋
半藤一利/保阪正康
■内容紹介]■
反日に沸き立つ中韓。日本で炎上するヘイトスピーチ。
その根源にあるものは何か? 昭和史を知り尽した両者が歴史を糧に語り尽くす。
文庫本(2017/8/7) ちくま文庫
■内容紹介]■
治安の総帥から政治家へ。
異色の政治家後藤田正晴は、どのような信念を持ち、どんな決断を下したのか。
その生涯を多面的に読み解く決定版評伝。
帝国軍人の弁明: エリート軍人の自伝・回想録を読む
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単行本(2017/7/13) 筑摩選書
■内容紹介]■
昭和陸軍の軍人たちは何を考え、どう行動し、それを後世にどう書き残したか。
当事者自身の筆による自伝・回想・証言を、多面的に検証しながら読み解く試み。
昭和維新史との対話: 検証 五・一五事件から三島事件まで
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単行本(2017/3/30) 現代書館
保阪正康・鈴木邦男
■内容紹介]■
初顔合わせ対談。
昭和史には、全人類史が経験したすべての出来事が詰まっているという。
貧困・飢餓・戦争・クーデター・占領、そして平和と繁栄……。
日本人の罪と過ち、知恵と勇気を映し出す歴史の大舞台
で、日本人は何のために互いを「敵」と見做し、テロの果てに
血を流したのか? 国家改革を求めた青年将校や憂国者の
心理から現代日本の希望と挫折、その課題を浮き彫りにする。
「血盟団事件」「五・一五事件」「二・二六事件」当事者と接した2人が明かす革命家群像!
多くのテロ事件に揺さ振られた時代が甦る!
単行本(2016/12/20)山川出版社
■内容紹介]■
戦後70年という節目の年に,日本はこれまでの安全保障政策を歴史的に転換して集団的自衛権の行使を認めた。
日本人に,この事実に向き合うための「戦争観」があるだろうか……。
「昭和史」の知を駆使しながら,わかりやすく日本人と軍事のあり方に思索をめぐらす歴史エッセイ。
文庫(2016/12/1) PHP研究所
■内容紹介]■
遠ざかりゆく太平洋戦争の記憶――。
多くの戦争当事者へのインタビューを続けてきた著者による、今こそ見つめ直したい珠玉の評論集。
オンデマンド (ペーパーバック) (2016/11/4) PHP研究所
■内容紹介]■
【オンデマンド版は表紙以外はモノクロ印刷となります。ご了承ください】
戦争、敗戦、占領、復興、経済成長、バブル景気……。
飢餓もあれば飽食もあり、軍国主義も民主主義もあった“昭和”という時代。
およそ人類が体験できる事件や事象のほとんどが存在した
この時代は、日本とは何か、日本人とは何かを考える上で多くの示唆と教訓にあふれている。
本書は、昭和元年(1926)から昭和64年(1989)までの64年を
、前期・占領期・後期の三部にわけ、全55項目のテーマに沿って概観した一冊。
「大正から昭和へ」「金融恐慌」「満州への野心」……(前期)、「GHQ最高司令官マッカーサー」
「戦後教育改革」「極東国際軍事裁判」……(占領期)、「10年目の経済白書」「60年安保と岸内閣」……
そして「昭和天皇崩御」(後期)と読み進めるなかで、昭和史の全体像をしっかりと理解できる。
激動の昭和史を次代に正しく伝えていく上で、バランスある歴史感覚でわかりやすく
記述された本書は、まさに格好の講師役といえる。
単行本(2016/10/28) 毎日新聞出版
■内容紹介]■
サンデー毎日に短期集中連載中の「天皇陛下『生前退位』を解読する」に加筆して単行本化する。
7月13日、天皇が天皇の位を生前に皇太子に譲る「生前退位」の意向を示していると
報じられ、このニュースは日本全国に衝撃を与えた。
戦後社会と日本国憲法に合致する新しい天皇像を築いてきた現天皇は、
なぜ今、退位の思いに至ったのか。長年、近代天皇制を研究し、現天皇と深い交流もある
著者は、「生前退位」は、天皇が改憲への潮流を憂慮してなした
決意である可能性を指摘する。現天皇は、安保法制から改憲に向かって
戦争への警戒心をなくしてゆく社会状況に抗するかのように、太平洋戦争の
犠牲者を追悼し慰霊する旅を続けてきた。また、近代日本においてはじめて、天皇制を民主主義の下に置くことを徹底してきた。
自民党の改憲案では天皇を再び国家元首にしようとしているが、天皇はこの政体転換に
強い批判を持っているだろうと著者は言う。
一方で、天皇は、平和を求める精神を皇太子に継承できたという安堵の思いも持っているのではないかと著者は見る。
また、大正天皇と昭和天皇の最晩年、天皇がその役割を果たせなくなって
摂政が置かれ、天皇の存在が稀薄化した時代から、現天皇は歴史の教訓を学んでいるのだろうと推察する。
このあたりの歴史的検証は著者の面目躍如たるものがある。
天皇と著者の数年間にわたる交友が、会見記の形で書かれるところには特別な価値がある。
巻末に、「サンデー毎日」に一部掲載された青木理氏との対談「日本国憲法の『天皇条項』を見直せ」の
完全版を収録する。読者は、天皇と憲法と民主主義をめぐる新たな思考に触れることになるだろう。
単行本(2016/10/21) 幻戯書房
■内容紹介]■
文学賞情報
2017年 第30回 和辻哲郎文化賞・一般部門受賞
要旨
天皇制とは何か。国のあるべき姿とは何か。
1945年8月15日以前と以後の国家像を検証し、後世に受け継ぐべき理念を探る1500枚。
目次
集団の記憶と一人の記録
1 敗戦‐講和(玉音放送
二の次の「人間宣言」 ほか)
2 昭和前期/二・二六事件(昭和十五年の位相
「一体化」を促した『国体の本義』 ほか)
3 新統制派/太平洋戦争(橋本欣五郎の『第二の開闢』
八紘一宇の顕現 ほか)
4 戦後‐現在(朝日新聞の戦後八月十五日付社説
六〇年安保闘争と敗戦以前の共通項 ほか)
私と「ナショナリズム」の出会い
日本史再検証 GHQとは何か (別冊宝島 2489)
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大型本(2016/8/4) 宝島社
■内容紹介]■
本誌は総合監修により、戦後日本を占領した「巨大権力GHQ」の
「日本解体の手法と意図」を再検証します。
東京裁判を中心とした2つの日本の顔「占領前期(解体される日本=民主化・非軍事化)」
「占領後期(東西冷戦の極東の拠点とされた日本)」を通じ、
GHQに導かれた現在の民主主義=アメリカン・デモクラシーを昇華させた
「日本の民主主義」を考えます。
田中角栄と安倍晋三 昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体
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単行本(2016/7/8)山川出版社
保阪正康/三井圭司/坂崎重盛
小沢信男/久保田誠一
■内容紹介]■
激動と変貌の「日本の100年」は,世界にどう伝えられたのか。
江戸の風情を残しつつも急速に近代化していく
明治・大正期日本の風景,そして第二次世界大戦
による焦土からの復興で再び変貌していく都市の姿。
関東大震災から2・26事件,戦争,三島由紀夫の決起や
東京五輪と大阪万博,昭和天皇の崩御から阪神大震災など,海外でも
報道されたニュース写真と併せて日本の100年をこの一冊に凝縮。
海外のフォト・エージェンシー所有の写真で綴る,20世紀日本の風景,風俗,事件。
文庫 (2016/7/7) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
昭和史の第一人者が、敗戦につながる昭和10年代に着目。
桐生悠々、斎藤隆夫、2.26事件、
皇紀2600年など多彩な素材を基に、
"壊憲"に向け暴走する安倍政権下の日本人が学ぶべき教訓を引き出す。
大幅加筆した保阪流「自省史観」の真骨頂。
【目次】
序章 昭和史を見つめる目
第一章 昭和十年代を象徴する二.二六事件
第二章 混迷する農本主義者たちの像
第三章 主観主義への埋没という時代
第四章 教訓とすべきことは何か
第五章 問われている語り継ぐべき姿勢
第六章 歴史への謙虚さとは何か
終章 戦後七十年と安倍“壊憲"政権
あとがき
文庫版あとがき
田中角栄と安倍晋三 昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体
|
新書 (2016/6/13) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
激動の昭和と劣化の平成──二つの時代の因果関係を明らかにして
「戦間期」の危機にある日本の真の姿に迫る。壮大な異端者・角栄と
一強支配・安倍との相違、東条英機と岸信介との因縁、昭和天皇と今上天皇との対比など、
現代史のキーポイントで解明する。
田中角栄が、今いれば――安倍晋三政権を「渇! 」と怒鳴りつけているに違いない。
なぜ、平成の世をこれほど危険なものにしてしまったのか。
政治や世情を、どうしてこんなに劣化させてしまったのか。
激動の昭和から何も学ぼうとしない安倍首相へ田中が
抱いたであろう怒りは、長年、昭和史研究に心血を注いできた
著者の痛憤でもある。昭和時代は72年と2週間。
軍事に翻弄された戦前と、平和を目指して出発した戦後、この歴史
から日本は貴重な教訓を得たはずだ。
しかし、安倍首相は今、学ぶどころか歴史そのものを修正しようとさえしている……。
本書は平成という時代の危うさを、昭和との因果関係の中で
明らかにする。なかでも田中と安倍とを対比する論考は、綿密にして痛烈だ。
田中角栄は、庶民の欲望をすくい上げて政策化した。
安倍首相は国民を戦争に向かわせる方向に大きく舵を切った。
田中は「戦わされる側」の一兵士として、戦場で己の人生の何たるかを体得した。
安倍は自ら敬愛してやまないという祖父・岸信介に
その強引な「手法」だけを学んだのではないか。
岸が軍事指導者の一員だったことは言うまでもない。
また、安倍の政治姿勢と体質は、東条英機に酷似している。
田中角栄が安倍に怒る――それは決して単なる想像ではない。
田中の系譜に連なる者たちの安倍批判は、今もなお激烈なのだ。
昭和天皇と今上天皇との対比では、皇統の存廃に
戦争がいかに関わるか、平和への「思い」が
どう異なるか、などが克明に論じられる。
さらには、2.26事件とオウム真理教の項では、若者たちの
「異議申し立て」の歴史を詳細に分析する。
本書ではとくに次の3点に警鐘を鳴らす。
1.ファシズムは歪んだデモクラシーのあとにやってくる。
2.偏狭なナショナリズムは社会正義の装いでやってくる。
3.復讐心が生み出す「戦間期の思想」が形になって表れてくる。
「戦間期の思想」とは、敗戦国が復讐心に燃え、失った領土や
権益を取り戻そうとする考えである。
「戦争準備期間」とも言える。まさに、3点とも現在の状況を示してはいないだろうか。
激動の昭和と「劣化ニッポン」。入魂の論考は
読みやすく、そこには著者の「痛憤」がほとばしっている。
〈目次〉
序章 昭和から平成へ――「7・5・3の法則」
第1章 昭和天皇と今上天皇――戦争の清算
第2章 田中角栄と安倍晋三――系譜の相克
第3章 政治劣化の元凶――55年体制と小選挙区制の陥穽
第4章 青年たちの反乱――2・26事件から地下鉄サリン事件へ
第5章 戦間期の思想――魔性の科学者
終章 「田中角栄」からの批判
文庫 (2016/3/10) 文藝春秋
半藤一利/保阪正康
■内容紹介]■
軍部の圧力に屈したのではなく、部数拡大のため自ら戦争を煽った新聞。ひとりよがりな
正義にとりつかれ、なだれをうって破局へ突き進んだ国民…。
昭和の大転換期の真相を明らかにし、時代状況が驚くほど似てきた“現在”に警鐘を鳴らす。
昭和天皇実録 その表と裏3 二・二六事件・日中戦争の時代
|
単行本 (2015/2/27) 毎日新聞社
■内容紹介]■
宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇
という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者が満を持した試みの第3巻。
今回は二・二六事件と日中戦争の時代を扱う。日本社会がテロとファシズムに覆われ、軍部の台頭に誰も
抗えなくなり、日本が中国に進出してゆく時期である。戦争が拡大してゆくこの時期、天皇が
いかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の
昭和史への識見により史実を拡充して語っていく。
その後太平洋戦争へと進展してゆく日中戦争の時代に、天皇と
軍部との間ではすでに軋轢や齟齬が様々に表面化しており、それが
西園寺公望ら側近や近衛文麿や政治家をも巻き込んで権力の内部で
複雑な関係を形成していたいたことが明らかにされる。
天皇は国際政治を冷静に見つめる視点を保持しており、戦争に批判的な
立場をとりつつも、徐々に軍部の動向を追認せざるを得なくなっていく。
天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が
軍事に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者の意志が浮き上がってくる。
天皇と「戦争の時代」を、2016年の翼賛的状況のなかで再考する瞠目の論考も収録。
天皇のイングリッシュ 天皇が学んだ英語と民主主義教育 |
新書 (2015/12/25) 廣済堂新書
■内容紹介]■
今上天皇は終戦直後の少年時代、米国からやってきた
ヴァイニング夫人によって英語教育を受けた。
それは米国流の民主主義を学ぶことをも意味していた。
昭和史の第一人者・保阪正康が夫人によって
持ち込まれた英語の副読本を解読し、昭和天皇から明仁天皇へと
受けつがれた「平和主義」の意味を説く。
新書 (2015/10/21) 岩波書店
■内容紹介]■
「昭和」とは、いかなる時代だったのか? なぜ、どのように、泥沼の戦争へと突き進んだのか?
天皇、政治家・軍人、知識人、庶民らは、どう戦前・戦後を生き、
時代を形づくったのか? 遠くなりゆく「昭和」を、
局面ごとの図形モデルを用い、大胆に解説。豊富な資料・実例を織り込み、
現代に適用可能な歴史の教訓を考える。
単行本(2015/9/) 山川出版社
近現代史編纂会=編 保阪正康=監修
■内容紹介]■
日本史上初めての「占領」は、この国をどう変えたのか―。
昭和史上最大の国民的体験が、遺された多数の写真から浮かび上がる。
文庫(2015/9/25)文春文庫
山本 又 (著), 保阪 正康 (解説)
■内容紹介]■
蹶起将校の首魁・安藤輝三から事件のことを書き残してくれと
頼まれた山本又による衝撃の獄中手記。
事件直前に削られた一文とは?
一兵卒から叩き上げの予備少尉42歳。
なぜ年齢も属性も異なる山本又が蹶起に参加したのか。
しかも事件後には山王ホテルからただ一人逃亡(4日後に自首)。
青年将校たちの中で異彩をはなつ山本又の謎がいま明かされる。新発見・獄中手記。
単行本(2015/8/21) 平凡社
■内容紹介]■
橘孝三郎、東條英機、瀬島龍三、後藤田正晴……
作品を描く過程で出会った人々。
昭和史研究の第一人者はいかに時代と格闘してきたか。
新書 (2015/8/20) 文藝春秋
■内容紹介]■
半藤 一利 (著), 船橋 洋一 (著), 出口 治明 (著), 水野 和夫 (著)
佐藤 優 (著), 保阪 正康 (著)
「文藝春秋Special春号」の特集「大人の近現代史入門 最重要テーマ20」を再構成。
満州事変から、歴史認識、第二次世界大戦開戦前夜、戦後処理まで。
単行本(2015/8/6) 東洋経済新報社
■内容紹介]■
半藤一利/保阪正康
薩長(さっちょう)史観に隠された歴史の真実!
“官軍(かんぐん)”が始めた昭和の戦争を“賊軍(ぞくぐん)”が終わらせた!!
鈴木貫太郎(関宿)、石原莞爾(庄内)、米内光政(盛岡)、山本五十六(長岡)、
井上成美(仙台)……など、幕末維新で“賊軍”とされた
藩の出身者たちの苦闘を通して「もう一つの昭和史」を浮かび上がらせた異色の対談。
奥羽越列藩同盟など、幕府方につき新政府軍(官軍)抵抗した藩は、維新後「賊軍」
としてさまざまな差別を受けた。
その藩士の子息たちは、陸軍、海軍で薩長閥によって非主流派に
追いやられ、辛酸をなめることになる。
やがて昭和に入り、日独伊三国同盟に反対した海軍の米内、山本、井上の
賊軍トリオは、主流派である薩長閥に抗しきれず開戦を迎える。
そして、“官軍”が始めた無謀な戦争により滅亡の瀬戸際まで
追い込まれた日本を救ったのは、鈴木貫太郎、米内光政ら賊軍出身者だった――。
新視点からあの戦争の真相を読み解き、いまに続く“官軍”的なるものの正体を明らかにする。
★著者の言葉
半藤一利
「あの戦争で、この国を滅ぼそうとしたのは、官軍の連中です。
もっとも、近代日本を作ったのも官軍ですが……。
この国が滅びようとしたとき、どうにもならないほどに破壊される
一歩手前で、何とか国を救ったのは、全部、賊軍の人たちだったのです」
保阪正康
太平洋戦争を批判するとき、実は薩長政権のゆがみが継続していた
点は見逃せないのではないでしょうか……。
薩長閥の延長にある軍部を(賊軍の官軍的体質といったものまで含めて)批判する
という視点がそのまま持ち込めるように思います。
単行本(2015/7/29) 講談社
■内容紹介]■
昭和20年8月14日の日本を上空から偵察した米軍は驚いたという。
降伏が決定し、爆撃を控えたにもかかわらず、日本各地で
炎が舞い上がっている。
その理由は後から知ることになるが、軍部の命令により
戦争史料が徹底的に焼却されていたのである。
もちろん、敗戦後に問われる戦争指導の責任追及をかわすためである。
昭和史の実証的研究のため、残された史料を発掘し、延べ4000人の人々から直接聞き書きを行ってきた筆者に
とり、近年目につく事実を歪曲・曲解し、自分たちの立場に都合の
良いように歴史解釈を図る、いわゆる歴史修正主義の動きはゆゆしき事態である。
これまで重ねられてきた歴史学者・研究者の成果と誇りを傷つける動きと言ってもいい。
そのなかで特に危惧しなければならないのが、歴史修正主義者たちが権力と一体化している風潮である。
8月に発表される安倍首相の「談話」には、歴史研究から
得られた教訓が活かされるのか。
世界的に注目を集めるそのステイトメントを前に、昭和史研究の
第一人者があえて首相の立ち位置に異を唱える。
また、従軍慰安婦問題で指弾された朝日新聞の、第三者委員会のメンバーとして同問題の報道を
目の当たりにしてきた筆者が、報告書には盛り込めなかった慰安婦問題の本質を書き下ろす。
「軍隊と性」「戦場と性」の問題にも深く言及する。
写真で見る太平洋戦争 2 玉砕の島々と沖縄戦、終戦への道
|
単行本(2015/8/) 山川出版社
近現代史編纂会=編 保阪正康=監修
■内容紹介]■
米軍の反攻、国防圏の崩壊、特攻の登場、沖縄戦、原爆投下、太平洋戦争
の後半から終戦への道を当時の貴重な写真と解説で振り返る。戦後70周年特別企画。
もくじ:保阪正康 「戦後七〇年」に想う
「霊的突撃」を強いた、負け方知らずの戦争
第一部 本格化する米軍の反攻
ポートモレスビー攻略戦
ダンピール海峡の悲劇
ニューギニアの戦い
アッツ島の玉砕
タラワ、マキン、クェゼリンの玉砕
第二部 相次ぐ玉砕と絶対国防圏の崩壊
インパール作戦
ラバウル基地の最期
トラック泊地の壊滅
<コラム>海軍乙事件
マリアナ沖海戦
サイパン玉砕戦
グアム島の戦い
テニアン島の戦い
ペリリュー島の戦い
<コラム>重臣たちの東条内閣打倒工作
第三部 「特攻」の登場
台湾沖航空戦
レイテ沖海戦
フィリピン防衛戦
特攻作戦
<コラム>疎開船「対馬丸」の沈没
硫黄島の戦い
第四部 降伏への道程
沖縄の戦い
船艦「大和」の最期
<コラム>ドイツの無条件降伏
日本本土を襲う米軍の空襲
<コラム>日本の運命を決めた2つの会談
広島への原爆投下
長崎への原爆投下
無条件降伏
降伏調印式とマッカーサー
写真で見る太平洋戦争 1 真珠湾からガダルカナルへ
|
単行本(2015/8/) 山川出版社
近現代史編纂会=編 保阪正康=監修
■内容紹介]■
真珠湾攻撃、ビルマ攻略戦、ミッドウェー海戦など、開戦からガダルカナルの
戦いまでを当時の貴重な写真と解説で振り返る。戦後70周年特別企画。
もくじ:保坂正康 「戦後七〇年」に想う
日本に、戦争をする資格はあったのか
第一部 一大奇襲作戦と南方への進撃
真珠湾攻撃
<コラム>九軍神と米軍の捕虜となった乗組員
マレー・シンガポール作戦1
マレー沖海戦
マレー・シンガポール作戦2
フィリピン攻略戦
ホンコン攻略戦
蘭印攻略戦
第二部 広がり続ける戦線
ビルマ攻略戦
<コラム>ビルマ上空で散った「加藤隼戦闘隊」飛行隊長
インド洋作戦
ウェーク島攻略作戦
<コラム>占領地域の皇民化政策
ラバウル攻略戦
<コラム>アジアの民族運動と日本軍の謀略作戦
第三部 「挫折」する戦争構想
ドゥーリットル空襲
珊瑚海海戦
ミッドウェー海戦
ガダルカナルの戦いはじまる
第1次ソロモン海戦
第2次ソロモン海戦
ガダルカナル島の攻略、日本軍の総攻撃
第四部 「餓島」、そして山本五十六の死
サボ島沖夜戦
南太平洋海戦
第3次ソロモン海戦
ガダルカナル島撤退
ラバウル航空隊
<コラム>名機「零戦」の興亡
「い」号作戦
海軍甲事件
(2015/7/29) 毎日新聞社
単行本■内容紹介]■
宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という
時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者
としての著者が満を持した試みの第2巻。
今回は二つの時代を扱う。第二次大戦敗戦期と、テロとファシズムの昭和初年である。
この時期に天皇がいかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を
追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への識見
により史実を拡充して語っていく。
敗戦期においては戦争終結に向けた天皇の不退転の意志が描かれる。
昭和初年には、すでに天皇と軍部の軋轢や齟齬が様々に表面化していたことが
新たに明らかにされる。
天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が軍事
に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者のメッセージが浮き上がってくるだろう。
序章 軍部に抗う天皇
第1章 太平洋戦争敗戦
第2章 改元、そしてテロの時代へ
第3章 満州事変とファシズム
単行本(2015/7/23) 筑摩書房
■内容紹介]■
日本の敗戦から75年。戦争体験者が減るなかで、実際の
戦場を体験した人々が、戦後社会をどう生き、悲惨な
体験をどう伝えようとしたのか、その実像に迫る。
文庫(2015/7/2) 日本経済新聞出版社
■内容紹介]■
半藤 一利/秦 郁彦/保阪正康
戦争犯罪は「命令だった」で免罪されるか。
戦勝国が敗戦国を裁くことができるか。
捕虜・市民の虐待、慰安婦・強制労働、無差別爆撃……
決して風化させてはならない残虐行為、戦後70年の今も形を変えて続いている。
戦後70年、今こそ戦争の本質的恐ろしさを知っておかなければならない!
捕虜の過酷な行軍・虐待、市民の虐待、慰安婦、生体解剖、人肉食……
国立公文書館に収められたBC級裁判資料は、日本軍の戦争犯罪が
戦後、連合国側によって裁かれた記録です。
罪に問われた人たちは、国家の命令に忠実な将兵であり国民だったという
思いが強く、多くの人たちが「命令だった、やむをえなかった」と
訴えました。しかし、それで免罪されるのでしょうか。
戦後長らく封印されていた、この貴重な記録は、「国が戦争をする」ということは、読者の
「あなた」がどのような過酷な状況に置かれるかを具体的に教えてくれます。
世界では戦争犯罪は今も起きています。目を背けたくなる記録も
多いのですが、だからこそ知っておかねばならないことばかりです。
文庫(2015/4/30) 新潮社
■内容紹介]■
戦時下で秘密裡に進められていた「ニ号研究」「F号研究」という日本の原爆製造計画。
戦局の挽回を期し、軍部が命じて科学者の叡智を集めた研究の全貌とは……。
昭和史研究の第一人者が、膨大な資料と関係者への貴重なインタビュー
をもとに、戦後、原発立国へと舵を切った日本の「原子力前史」を繙き、現代との
因果を詳らかにする。『日本の原爆-その開発と挫折の道程』改題。
新書(2015/3/20) 文藝春秋
半藤一利/ 保阪正康/ 御厨貴 /磯田道史
■内容紹介]■
「昭和史」最強のメンバーは激動の87年をどう読んだか?
初めて明らかにされた幼少期、軍部への抵抗、開戦の決意、聖断、そして象徴としての戦後。
1万2千頁の記録から浮かぶ昭和天皇像。
第一章 初めて明かされる幼年期の素顔(明治34年〜大正元年)
第二章 青年期の栄光と挫折(大正10年〜昭和16年)
第三章 昭和天皇の三つの「顔」(昭和6年〜昭和11年)
第四章 世界からの孤立を止められたか(昭和12年〜昭和16年)
第五章 開戦へと至る心理(昭和16年)
第六章 天皇の終戦工作(昭和17年〜昭和20年)
第七章 八月十五日を境にして(昭和20年〜昭和22年)
第八章 ”記憶の王”として(昭和20年〜昭和63年)
単行本(2015/3/20) 毎日新聞社
■内容紹介]■
『昭和天皇実録』を読解し、
昭和史の新しいスタンダードを確定する
画期的な一冊。
2014年8月に宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という
時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての
著者の満を持した試み。
著者は『昭和天皇実録』を、これまで民間に明らかにされなかった国家所蔵の記 録を
用いたものである点で極めて重要な文書としながらも、その記述にはさまざまな
意図が隠されており、『昭和天皇実録』を真に意味あるものにするためには、 眼光紙背に
徹した読解が必要だと言う。
そこで著者は『昭和天皇実録』を歴史を 追って読み込みながら、その都度、著者の
昭和史への圧倒的な識見により拡充し、 これまでの歴史研究の成果と突き合わせてゆく。
本書は『昭和天皇実録』をテーマとしつつ、昭和史の新たなスタンダードを確定
する画期的な一冊である。
第1巻では昭和天皇の戦争体験を詳細に検証する。
(2015/1/23)中央公論新社
文庫■内容紹介]■
明治はじめに誕生し、敗戦後に廃止された華族という階級は、どのような存在だったのか。
公家華族と勲功華族の違い、東條英機の爵位への憧れ、
赤化華族事件やスキャンダル、そしてとくに影響力をもった西園寺公望、
牧野伸顕、近衛文麿、木戸幸一それぞれの苦脳と選択。
華族たちの軌跡を追い昭和史の空白部分をさぐる第六集。
(2014/9/19) 東洋経済新報社
半藤 一利/保阪 正康
単行本■内容紹介]■
昭和史の泰斗2人が、いま日中韓で燃え上がるナショナリズムの実体について分析。
背景にある歴史問題を直視し、憎悪の連鎖に歯止めをかけるための提言を行う。
そして、他国に振り回されず権力に踊らされない、健全な日本人のナショナリズム
の在り方についても示す――。
大好評『そして、メディアは日本を戦争に導いた』に続く迫真の対談。
◆前帯コピー
“憎悪の連鎖”をどうやって断ち切ればいいのか
“自虐史観”“居直り史観”を共に排して、歴史を直視すれば、
解決の道は見えてくる――。
「気づいたら戦争」にならないための“本物の愛国者”入門。
◆後帯コピー
●出版メディアは、嫌中、嫌韓を無責任に煽(あお)り商売にしている
●戦後の「イヤだイヤだ反戦」でナショナリズムが歪(ゆが)んだ
●昭和の戦争を検証せずに軍拡を叫ぶのは、本物のナショナリストではない
●韓国併合は、日本にとっては侵略というよりも国防だった
●自国の誇りが高く、他国への感情が変わりやすい韓国ナショナリズム
●中国人への蔑視は日清戦争から始まった
●中国共産党にとってナショナリズムは統治の手段にすぎない
●竹島や尖閣の問題は、日中韓の国家ナショナリズムに利用されている
●日本のタカ派的言動は中国軍部に利用されるだけ
●国家総動員法と集団的自衛権、歴史が教える白紙委任の危険
●復讐戦を放棄した戦後六九年こそ、誇るべきナショナリズム
●庶民の健全なナショナリズムこそが日本を救う
●大正の論客が教える、戦争を絶滅するための法律
――本書より
(2014/8/25)中央公論新社
文庫■内容紹介]■
屯田兵を母体とし、日露戦争から太平洋戦争まで、
常に危険な地域へ派兵されてきた旭川第七師団。
一師団の歴史の俯瞰から大本営参謀本部の戦略の失敗を衝く。
解説・戸部良一。
(2014/8/8) 山川出版社
単行本■内容紹介]■
盛り上がる歴史修正主義との間で歴史議論が成り立たないことに
危機感をいだく著者が、議論の土台とすべき
共通の知識基盤=名著と後世に伝えるべき昭和期の人物を厳選紹介する。
もくじ:第一部 昭和史の名著
序章 昭和史の名著を知る
膨らみ続ける「日本は正しかった」論/戦後「密教」の顕教化/
歴史議論を成り立たなくさせるもの/
史料を自ら燃やした日本の政府/
末端兵士らの記録刊行はなぜ遅れたか/名著をふるいにかける
第一章 作家・ジャーナリストによる名著
『レイテ戦記』を書いた大岡昇平の執念/
戦記文学の巨頭『戦艦大和ノ最期』/山本七平の思想と戦場体験/
忘れられた輸送部隊の戦史/
『旋風二十年』が戦後社会にもたらした衝撃/
自身の体験が臨場感を与える半藤一利の『昭和史』/
「特攻」をどう読むか/日本人論としても読める森本忠夫『特攻』/
記録者たりえた松本清張と山田風太郎
第二章 アカデミズムの名著を読む
世界をリードするイギリスの教養主義/
「二十世紀」を総括できない日本人/
アカデミズムに多かった「演繹的」史観/家長三郎への違和感/
色川大吉と三笠宮/日本人の組織に着目した『失敗の本質』/
「開戦への道」を分析した良書/東京裁判と占領期を知るために/
日本は今も国家総力戦体制か − 野口悠紀雄の視角 −
第三章 外国人による昭和史の名著
外国人研究者が好きな「昭和天皇」と「吉田茂」/
日本研究の入り口になった太平洋戦争/
外国人の日本人イメージのギャップ/
ハーバート・ビックスが描いた昭和天皇/
外国人による「昭和天皇論」を分析したウェッツラー/
ビックス『昭和天皇』への批判/
海外の理解を促すためにどうすべきか
第四章 当事者の自伝・回想録、記録の名著
ゴミに出されるところだった新史料/
『本庄日記』の記述は真実か/
他者に責任を押しつける近衛文麿の手記/
昭和戦前期を知るのに欠かせない『西園寺公と政局』/
侍従の回想録が伝える昭和天皇の人間性/
吉田茂『回想十年』はなぜ名著なのか/
良質の回想録が少ない外交官と軍人/
涙なしで読めなかった『きけわだつみのこえ』/
抜粋されていた戦没学徒たちの遺構/
読むべきもうひとつの『きけわだつみのこえ』/
昭和史で名著を十冊挙げるなら
第二部 昭和史の人物
あ〜お
会津八一 教え子にも慕われた代表歌人
朝河貫一 アメリカで戦争回避に尽力した歴史学者
浅沼稲次郎 政治テロに倒れた社会党委員長
芦田 均 「国の現状は軽佻な人心が禍根である」
渥美 清 不良少年時代の思い出が国民的映画に
池田勇人 「あなたの月給を二倍にします」
石坂泰三 大阪万博を成功させた「財界の総理大臣」
石橋湛山 小日本主義を唱えて軍部から迫害
石原莞爾 民主憲法を評価した異才の軍人
市川房枝 女性の地位向上に一生を捧げる
井深 大 焼け跡の個人企業を「世界のソニー」に
犬養 毅 「話せばわかる」「問答無用、撃て、撃て」
井上成美 戦後、愛読書に朱線を引いた一節
梅原龍三郎 ルノアールに学んだ日本的油絵の巨匠
江田三郎 斬新な「江田ビジョン」が受け入れられていたら
江戸川乱歩 明智小五郎を生んだ探偵小説のパイオニア
江戸英雄 戦後の土地利用を変革したデベロッパー
榎本健一 エノケンは「日本のチャップリン」だったか
遠藤三郎 元軍人が説いた「軍備は国を滅ぼす」
大河内正敏 理化学研究所のレベルを引き上げたアイディアマン
太田 薫 「春闘」を発明した国民的人気の労働運動家
大原総一郎 製品開発で戦後復興を目指した哲学的経営者
大平正芳 現職総理のまま無念の急死
大宅壮一 テレビ文化を「一億総白痴化」と一刀両断
岡本太郎 「太陽の塔」に込められた東西文化の混合
尾崎行雄 軍閥政治、東條を批判し続けた「護憲」の信念
小津安二郎 独特のカメラアングルで世界的な評価
か〜こ
笠置シヅ子 復興の街に鳴り響いた「東京ブギウギ」
片山 哲 戦後初の日本社会党からの首相
樺美智子 安保世代が神話化した悲劇の聖女
河合栄治郎 反ファシズムを貫き二・二六事件批判で弾圧
川端康成 「しみじみとやさしい日本人の心の歌」
菊田一夫 大ヒットドラマ「君の名は」を書いた劇作家
菊池 寛 「文藝春秋」を創刊し文学、文芸の普及に一石
岸 信介 評価が分かれる昭和の「妖怪」
木戸幸一 軍部と駆け引きした天皇の側近中の側近
木下恵介 戦争への批判を込めた名作「二十四の瞳」
清沢 洌 冷静に「戦争への道」を批判し続けた国際派言論人
桐生悠々 軍を批判し続けた真のジャーナリスト
熊谷守一 「お国のためになにもしていない」と文化勲章拒否
黒澤 明 審査員たちが一様に威を正した映画「羅生門」
河野一郎 戦後政界で花咲いた信念の人
古今亭志ん生 アメリカ兵に啖呵を切った気骨の噺家
後藤田正晴 「あの戦争はムチャやったなあ」
近衛文麿 「戦争がしたいなら軍人だけでやるがいい」
小林一三 軍部に媚びなかった「宝塚歌劇団」の生みの親
さ〜そ
西園寺公望 日本の行く末を案じた最後の元老
西条八十 「軍歌で応援するしかなかった。ひどい時代だった」
斎藤隆夫 軍部の脅しの前で勇気ある「反軍演説」
斎藤茂吉 昭和天皇に和歌を指導
坂口安吾 戦後社会を鋭く論じた「墜落論」
阪田三吉 「銀が泣いている」 昭和の天才棋士
坂本 九 あどけなさが残る少年が放った世界的ヒット曲
桜田 武 国家観をもって政界に意見した財界四天王の一人
佐藤栄作 沖縄返還を実現した政治手腕と核密約
サトウハチロー サトウの童謡に特徴的な母親への慕情
澤田美喜 私財をなげうって混血孤児二千人の母に
弊原喜重郎 天皇制を守るため「人間宣言」を助言
司馬遼太郎
関心は「歴史を旋回させている権力とその内蔵のにおい」
島崎藤村 日本ペンクラブの初代会長
東海林太郎 「国境の町」「妻と兵隊」 戦前歌謡の代表
昭和天皇 「大戦のことが一番いやな思い出」
白井義男 日本人初のプロボクシング世界王者
鈴木貫太郎 陸軍強硬派をなだめて終戦工作に奔走
鈴木大拙 禅の思想を欧米に知らしめた仏教学者
た〜と
高橋是清 二・二六事件での惨殺 昭和を代表する財政家
高峰秀子 日本映画全盛期を代表する女優
竹下 登 和を重んじた昭和最後の首相
武見太郎 「学問を守る」が信念だった「ケンカ太郎」
田中絹代 「私は映画と結婚した」昭和の大女優
田中角栄 日中国交正常化を実現させた昭和政治の顔
谷崎潤一郎 戦時下に連載を中止された代表作「細雪」
稲田山頭火 自然と生死を詠み続けた放浪の俳人
円谷幸吉 プレッシャーから自死を選んだ東京五輪メダリスト
東郷茂徳 開戦と終戦の外相を務めた「悲劇の人」
東條英機 精神論で国民を鼓舞した開戦時の首相
徳富蘇峰 積極的な戦争協力を戦後に反省
土光敏夫 企業と国家を組織改革した「土光イズム」
栃錦清隆 大相撲「栃若時代」の立役者
朝永振一郎 世界水準を超えた湯川秀樹のライバル
な〜の
永井荷風 庶民の息吹を愛した戦前の「自立した市民」
中野正剛 戦時下で東條を批判し割腹自殺
南原 繁 吉田茂の「曲者阿世の徒」発言に猛反論
仁科芳雄 原爆開発に従事させられた原子物理学者
新渡戸稲造 日本人の思考を世界に伝えた「武士道」
野口雨情 「七つの子」「赤い靴」 童謡を確立した詩人
は〜ほ
長谷川一夫 出演映画は三百本以上 昭和時代劇の大スター
浜口雄幸 凶弾に倒れた「ライオン宰相」
林芙美子 「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」
平塚らいてう 「元始、女性は実に太陽であった」
広田弘毅 文官としてただ一人のA級戦犯
深井英五 歴代で最も知性が高いと評された日銀総裁
藤田嗣治 芸術家が背負った戦犯の汚名
藤山愛一郎 自民党総裁を目指した財界人
双葉山定次 今なお破られぬ六十九連勝の大記録
古川ロッパ 喜劇王が警視庁にのりこんだ理由
古橋広之進 マッカーサーも賛辞を送った「フジヤマのトビウオ」
本田宗一郎 機械いじりの好きな少年が目指した世界
ま〜も
牧野富太郎 独力で近代日本の植物学を切り開く
正木ひろし 国民の奴隷根性を叱った人権派弁護士の先駆
松岡洋右 なぜ松岡は昭和史で評判が悪いのか
松下幸之助 近代日本が生んだ独創的な経営者
松田権六 「漆芸の神様」の人生を変えたドイツでのできごと
松永安左衛門 脱官僚体質を貫いた日本の電力王
三浦 環 その美声を欧米で認められたオペラ歌手
三木武夫 保守の中の良心を自負
御木本幸吉 エジソンから讃えられた世界の真珠王
三島由紀夫 「戦後のあまりに永い日本の眠りに憤った」
水野広徳 第一次大戦の悲惨さを見て反戦を唱えた軍人
溝口健二 叩き上げ職人監督が到達した映像美の世界
美空ひばり 昭和日本の「母情」を代弁
南方熊楠 昭和天皇も偲んだ世界的博物学者
宮澤喜一 リベラル思想の背景にあった戦時下体験
宮武外骨 戦時下でも軍部を嗤い続けた反骨の人
三好達治 「戦争詩」と戦後の葛藤
武者小路実篤 文学への入り口に立ち続ける作家
棟方志功 求道者にも通じる世界的木版画家
や〜よ
柳田国男 日本民俗学の出発点となった名著「遠野物語」
柳家金語楼 自分の笑い顔を意匠登録した人気落語家
山田風太郎 戦後史研究者も評価する「戦中派不戦日記」
山本五十六 三国同盟に反対した正確な国際感覚
山本有三 昭和期文壇の相談役
湯川秀樹 「私は孤独な散歩者だった」
横山大観 写実主義を超える精神主義を標榜した日本画
与謝野晶子 「君死にたまふことなかれ」
吉岡隆徳 陸上百メートル世界記録を樹立した「暁の超特急」
吉川英治 「宮本武蔵」今も読み継がれる大衆小説
吉田 茂 マッカーサーを動物園の熊にたとえた巧み
ら〜ろ
力道山 行き場のない日本人の憤懣を解消した空手チョップ
あとがき
(2014/6/21) PHP研究所
単行本■[内容紹介]■
戦後も70年を迎えようとする今、昭和史の見直しは、
「右傾化」がささやかれる日本人にとって不可欠であることを説く評論とエッセイ。
(2014/4/16)講談社
単行本■内容紹介]■
保阪正康、姜尚中、雨宮処凛
北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて
道新フォーラム「現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」
を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して
昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。
今回は2013年11月4日に保阪正康、姜尚中、雨宮処凛の三氏を招いて
札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。
昭和史の大河を往く4 >帝都・東京が震えた日
二・二六事件、東京大空襲
|
(2014/3/20)中央公論新社
文庫■内容紹介]■
昭和史を転換させた二・二六事件と、いまも傷跡が残る三月十一日の大空襲。
東京を震撼させた二つの悲劇を中心に「歴史の現場」を訪ねながら考える第四集。
目次
帝都を震撼させた二・二六事件(高橋是清惨殺の「現場」を目にして;
二・二六事件は“義挙”ではなく“派閥抗争”に過ぎない;
終始、鎮圧を主張した石原莞爾の動き;
昭和天皇と“股肱の臣”鈴木貫太郎夫妻の紐帯 ほか)
東京が目撃した昭和という時代(浅沼稲次郎刺殺事件―交錯する二人の視線;
シンガポール陥落、熱狂した日本人―誤解された山下奉文;
“熱狂”から“追悼”へ―日比谷公会堂での戦没者追悼式;
日比谷公園を設計した男―本多静六の人生 ほか)
(2014/2/21)毎日新聞社
半藤 一利/保阪 正康
単行本■内容紹介]■
「海軍は開戦に反対していた?はてさてどうでしょうかね。」
昭和史研の泰斗二人が、新公開資料から読み解く、
帝国海軍の実像、栄光と限界、提督たちの“失敗の本質"
(2014/2/14)講談社
文庫■内容紹介]■
昭和二十年八月の敗戦を境に、皇室は根本から変わらざるをえなかった。
平和日本を実現し、「新しい天皇像」を示さねば、皇統を維持できない。
そんな切迫した思いを胸に、昭和天皇と当時皇太子だった今上天皇はともに
戦後を歩み、今日の礎を築いた。新時代の皇室へ至る軌跡を、
天皇父子の有り様から描いた好著。
※本書は講談社創業百周年記念書き下ろし作品として
『明仁天皇と裕仁天皇』と題し、2009年5月に刊行されました。
文庫化にあたり、改題のうえ、一部を加筆・修正しました。
目次
序章 時代の分岐点に立って
第一章 軍国主義下の帝王教育
第二章 戦後空間での皇太子像
第三章 新皇室論の実践者として
第四章 皇室の新時代と家族史
第五章 新しい天皇像をめざして
第六章 平成時代と天皇像の確立
終章 歴史にいかに刻まれるか
あとがき
文庫版あとがき 解説 井上亮
昭和史の大河を往く3 - 昭和天皇、敗戦からの戦い
|
(2013/10/23)中央公論新社
文庫■内容紹介]■
敗戦の一ヵ月後、昭和天皇の新たな戦いが始まった。
マッカーサーとの心理戦や弟宮との関係を丹念に追い、
いま歴史へと移行する昭和天皇像を問い直す第三集。
(2013/10/11)東洋経済新報社
単行本■内容紹介]■
半藤 一利/保阪 正康
◆前帯コピー
いま、昭和史から学ぶべき、いちばん大事なこと
軍部の圧力に屈したのではなく、部数拡大のため自ら戦争を煽(あお)った新聞。
ひとりよがりな正義にとりつかれ、なだれをうって破局へ突き進んだ国民……。
昭和の大転換期の真相を明らかにし、時代状況が驚くほど似てきた“現在”に警鐘を鳴らす。
◆後帯コピー
○「戦争に協力すると新聞は売れる」
○メディアは売り上げで動く
○なだれ現象は、歴史が示す日本民族の弱点
○「明治維新というテロ」を美化した悪影響
○日本人全体がバカだった
○ブラックリストで総合雑誌が崩されていく
○昭和の戦争に個人で抵抗したジャーナリスト
○日本軍の堕落は農民のせい?
○終戦時における、誠実さのない新聞の変わり身
○昭和一桁(けた)に似てきている現代日本
○「四〇年周期説」で現在は昭和何年に当たるか?
○いまは普通の人が暴力に走りやすい
○劇場型になってきた言論封殺の暴力
――本書より
単行本(2013/8/10)筑摩書房
■内容紹介]■
半藤 一利、竹内 修司、保阪 正康、 松本 健一
1952年、講和条約が発効し、日本は「独立」する。
その独立の内実とそこに至る経緯は一体いかなるものだったのか。
第一級の昭和史研究者たちが検証する。
単行本(2013/8/1)山川出版社
■内容紹介]■
1部で戦争という極限状態で浮かび上がった日本人の組織の欠点を語り、
2部では領土問題や日米安保など昨今話題になる戦後史をわかりやすく解説する。
人気講義の書籍化第2弾。
文庫(2013/7/23) 中央公論新社
■内容紹介]■
国会はどのように「死んでいった」のか、首相官邸に身を置いた政治家はどんな心境になったのか。
二つの権力闘争の舞台から見つめる昭和史。長年の取材の成果を随所に盛り込む第二集。
新書(2013/7/12) 朝日新書
■内容紹介]■
昭和には二つの戦争があった。
日本を破滅の淵に追い込んだ戦争と、米国に次ぐ経済大国
に押し上げた高度成長という「経済戦争」だ。
敗北と勝利、結果は正反対だが、二つには数多くの共通点がある。
戦後日本が劇的に変化した「あの時代」を、昭和史研究の
第一人者が昭和前期の戦争と対比して徹底検証する。
1960年の池田勇人「所得倍増計画」から73年の石油危機までの
14年間を高度成長期と定義し、豊かさを求めて一直線に突き進んだ
日本社会と日本人の変容を明らかにする。
くしくも満州事変(1931年9月)から敗戦(1945年8月)までも同じ14年。
この間の軍事主導体制と、「経済戦争」を推進した政・官・財組織との
意外な因果関係を考察する。
一貫して変わらない日本人の国民性とは何か!?
高度経済成長によって日本は、果たして何を得て何を失ったのか!?
日本列島の激動期に迫る渾身作。
単行本(2013/6/26) 講談社
■内容紹介]■
保阪正康、姜尚中、香山リカ
自由の謳歌と敗北の屈辱と。
ふたつの感情があざなって「戦後」は形成された。
ふとしたことから噴出するわれわれの無意識に向き合う
単行本(2013/5/27) 平凡社
■内容紹介]■
昭和史研究の泰斗による回想記。
幼少期のかすかな戦争体験、占領期の記憶、旧制中学の教師だった父との相克、
60年安保の時代……。日本の高度成長と軌を一にした戦後史の一断面。
文庫本(2013/4/23) 中央公論新社
■内容紹介]■
政治や外交の思惑もからみ、近年ますます複雑化する靖国問題の本質とは何か。
歴代首相の発言と参拝、様々な立場の歴史解釈、昭和天皇の思いなど、資料と取材から多面的に迫る。
単行本(2013/3/16) 講談社
■内容紹介]■
保阪 正康、半藤 一利、 立花 隆、 田城 明
人はいつしか記憶を美化し、記録を恣意的に読み始める。
その誘惑に抗うものこそ知性である。日本人の体験を世界にひらくための第1弾
単行本(2013/1/22) 講談社
■内容紹介]■
保阪 正康、澤地 久枝、 姜 尚中
「正義」や「大義」が声高に叫ばれるとき、いったん立ち止まる勇気をわれわれは持てるだろうか。
時代と国境を越えてものを考える方法
戦争と天災のあいだ─記録の改竄、記憶の捏造に抗して
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単行本(2012/11/23) 講談社
■内容紹介]■
北海道新聞では保阪正康さんの監修のもと、「道新フォーラム~現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」
という企画を2009年から毎年、発信しつづけています。
これまでに半藤一利、立花隆、澤地久枝、姜尚中の各氏が講演し、
聴衆と活発な討論を続けてきました(なお、ことしは香山リカさんが登場します)。
本書はその活字化の第1弾として2011年のフォーラム「20代と考える戦争と大震災」 をお届けするものです。
単行本(2012/11/10) 毎日新聞社
■内容紹介]■
2013年NHK大河ドラマの主人公、新島八重とその夫で、同志社の
創立者・新島襄の人生の軌跡を、同志社大出身のノンフィクション界の第一人者が描く傑作評伝。
文庫本(2012/8/8) ちくま文庫
■内容紹介]■
半藤一利、竹内 修司、保坂正康、松本 健一
天皇の「人間宣言」、新憲法の制定、東京裁判の成り行き、
検閲の実態、数々の謀略事件、そして朝鮮戦争…
新生日本のグランド・デザインをめぐる国内の相克が
GHQ内部の権力闘争と絡み合い、
いまだに多くの謎と未解決の事件を孕んだまま過ぎ去ろうとしない時代の真実に迫る。
現代日本を呪縛する「占領下」の出来事の深層。
−目次−
「八月十五日」の体験
日本は「無条件降伏」をしたか
「一億総懺悔」の問題点
天皇とマッカーサーとの会談の真実
天皇が「人間」となった日
「堕落論」および「俳句第二芸術論」の衝撃
憲法第九条を発案したのは誰か
当用漢字・新かなはどうして採用になったのか
検閲はどう行なわれていたか
文庫本(2012/8/8) ちくま文庫
半藤一利、竹内 修司、保坂正康、松本 健一
■内容紹介]■
天皇の「人間宣言」、新憲法の制定、東京裁判の成り行き、
検閲の実態、数々の謀略事件、そして朝鮮戦争…
新生日本のグランド・デザインをめぐる国内の相克が
GHQ内部の権力闘争と絡み合い、
いまだに多くの謎と未解決の事件を孕んだまま過ぎ去ろうとしない時代の真実に迫る。
現代日本を呪縛する「占領下」の出来事の深層。
−目次−
国敗れてハダカありき
“日本人民共和国”成立の可能性
『はるかなる山河』に生き残ったことの意味
東京裁判でパル判事が主張したこと
「デス・バイ・ヘンギング」という判決
『日本の黒い霧』の推理は正しいか
朝鮮戦争は「神風」だった?:古橋・湯川・黒澤の活躍
警察予備隊が編成されたとき
マッカーサーが忘れられた日
文庫本(2012/8/2) 日経ビジネス人文庫
半藤一利、保坂正康、井上亮
■内容紹介]■
第二次大戦の戦勝国が敗戦国・日本の戦犯を断罪した裁判は文明の裁きなのか?
戦後日本人に決定的な影響を与えた「東京裁判史観」を超えて、
国立公文書館資料から裁判の本質に迫る。
勝者の裁きだけでなく、敗者の反論も残されている
国立公文書館資料は全国民必読の「歴史の書庫」。
感情論も政治的解釈も越えて、史実で史観のゆがみを正す時。
判決後60年、遂に現れた原資料昭和の戦争史はここから始まる。
序章 歴史の書庫としての東京裁判
第1章 基本文書を読む
第2章 検察側立証を読む
第3章 弁護側立証を読む
第4章 個人弁護と最終論告・弁論を読む
第5章 判決を読む
第6章 裁判文書余録
判決から60年、日経がスクープした新発見文書を真摯に読み直す試み。
昭和史では第一人者の作家2人と日経専門記者が、
知的興奮に満ちた昭和の戦争史へ読者を誘う。
昭和史、二つの日----語り継ぐ十二月八日と八月十五日
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[単行本](2012/8/1) 山川出版社
■内容紹介]■
昭和史の第一人者による,渾身の語り下ろし。
太平洋戦争開戦の日と終戦の日を軸に,
日本人は2つの日をどう受け止め,
何を見落としてきたのか?歴史になりつつあるあの戦争を次の世代に語り継ぐ。
もくじ:第一部 十二月八日を語り継ぐ − 宣戦の詔書
第1章 歴史になっていく十二月八日
総力戦研究所は戦争を止められたか/
淵田美津雄と酒巻和男の真珠湾/日本人の「戦争の記憶」/
「徴兵拒否」は日本にもあったか/
解明が足りない開戦への決定過程/政治指導者の劣化
第2章 「開戦の責任」と十二月八日
アメリカが「真珠湾」から学んだこと/
日米の「情報」に対する考え方/
在ワシントン日本大使館の十二月八日/
日本人が総括できない「通告遅延問題」/
東條内閣と過剰な秘密主義/
「戦ニ勝ツノニ都合ノヨイ様ニ外交ヲヤツテクレ」/
御前会議での不思議な議論
第3章 「日米の記憶」と十二月八日
今上天皇、四つの記憶/「愚か者の碑」と「原爆記念碑」/
アメリカの「正しい戦争」の記憶/日米の記憶の隔たり/
歴史の記憶とナショナリズム/
ビン・ラディン殺害と真珠湾を結ぶもの/
歴史から方程式をつくれなかった日本人
第4章 臣民と市民の十二月八日
臣民にとっての十二月八日/作家たちを戦争に協力させたもの/
開戦詔書と忠臣蔵の共通点/不明瞭な日本の戦争目的/
ヘレン・ミアーズが見た日米戦争/
口を割らないアメリカ人捕虜/開戦詔書に入れて欲しかった一文
第5章 十二月八日と「ヒロシマ」
国を誤らせた陸軍大学の教育法/
ドレスデン空襲式典から考える「真珠湾とヒロシマ」/
戦争被害者の序列/日本はなぜ、アメリカに復讐しなかったか/
責任なき開戦、そして戦友会のこと/
真珠湾とヒロシマを語っていくこと
第二部 八月十五日を語り継ぐ − 終戦の詔書
第6章 八月十五日と日本人の「涙」
「制限」か「従属」か/八月十五日と九月二日/
終戦で流れた日本人の「涙」/涙が覆い隠した八月十五日の本質/
消えた軍需物資と特攻隊のこと/
二百三十四年間で三百六十六回の戦争/
欠けていた末端兵士たちの証言
第7章 東京オリンピックまでの八月十五日
「一億総懺悔論」の登場/
昭和三十年代の「人物論」はなぜ面白いか/
政治家・有田八郎の戦後/
憲法九条「戦争放棄」を評価した石原莞爾/
評伝が育たない日本的風土/
八月十五日を「恨みの日」にしなかった日本人/
終戦記念日がうながす歴史の忘却
第8章 高度成長時代の八月十五日
「コインの裏表」として昭和十年代と四十年代/
日本人は「最短距離で目標に到達する名人」?/
「護送船団方式」の源は戦前にあり/僕の「全共闘世代」観/
東大医学部教授陣の「軍人精神」/
反戦自衛官と日本人捕虜のこと/
タブーだった「ナショナリズム」/
経済至上主義のなかの八月十五日/
光クラブ事件と奥崎謙三のこと
第9章 八月十五日と靖国、昭和天皇
元軍人の取材で思ったこと/「八月十五日」が変質していく時代/
A級戦犯はなぜ合祀されたか/矛盾を孕む靖国神社の歴史解釈/
中曽根首相の靖国参拝に忠言した後藤田官房長官/
『富田メモ』が突きつけたもの/和歌に表れた昭和天皇の心境/
靖国問題がくすぶり続ける理由/東京裁判が見のがした事件/
戦犯を自ら裁けなかった日本/
靖国問題がおおい隠すあの戦争の本質
第10章 平成時代の八月十五日
徳富蘇峰の一大懺悔/平成になって浮上した従軍慰安婦問題/
ジェンダー論で割り切れない「戦場の性」/
マイナス効果が目立つ日本の戦争謝罪/
日本の国旗を焼いたイギリス人元兵士の「和解」/
原子爆弾とジェノサイド/
戦争を知らない世代に磨いてほしい想像力
あとがき
仮説の昭和史 下 昭和史の大河を往く 第十三集 [単行本]
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単行本(2012/7/21) 毎日新聞社
■内容紹介]■
もう一つの日本の可能性。
ミッドウェー海戦に勝利していれば、昭和天皇が終戦直後に退位していれば、
日本は変わった?
仮説の昭和史 上 昭和史の大河を往く第十二集 [単行本]
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単行本(2012/7/21) 毎日新聞社
■内容紹介]■
「もし」という視点で語るもう一つの昭和史。
もし二・二六事件が成功していたら、三国軍事同盟を結んでいなければ、
真珠湾の勝利に浮かれずにいたら、など興味深い話題が満載!
単行本(2012/4/27) 新潮社
■内容紹介]■
科学者を結集し、戦時下日本で秘密裏に進められていた「原子爆弾製造計画」。
戦後、原子力立国へと繋がる研究の全貌を明らかにする。
新書(2012/2/20) 文藝春秋
■内容紹介]■
(辺見じゅん・保阪正康 著)
あの時、陛下は何を胸に抱いて詠んだのか
激動の時代を生きた昭和天皇の懊悩を明かす貴重な資料
それは御製。昭和史を知り尽くす作家と歌人が、語り尽くした30時間!
87年の長き生涯にわたって、約1万首の和歌を詠まれたといわれる昭和天皇。
今回は、大正期の皇太子時代から昭和63年の最晩年まで、
約100首を取り上げることで、昭和天皇の足跡と胸中に迫ります。
対談は、これまで見過ごされがちだった御製に新たな光を投げかけます。
昨年9月に惜しまれつつ急逝した辺見さんの遺作でもあります。
日本がかかえる三つの領土問題はどうすれば解決するのか。
新書(2012/2/10) 角川書店
■内容紹介]■
保阪正康 東郷和彦
北方四島、竹島、尖閣諸島。出口が見えない三つの領土問題は解決可能なのか?
昭和史と外交交渉の専門家二人が、具体的かつ実行可能な解決策を大胆に提示する。
文庫(2012/2/8) ちくま書房
■内容紹介]■
数学の才能に富んだ一庶民が日清・日露、太平洋戦争と激動の時代を
懸命に生き抜く姿を通して、近代日本の哀歓と功罪を描くノンフィクション・ノベル。
単行本(2012/1/20) 朝日新聞出版
■内容紹介]■
日本はなぜ軍事体制になって、日中戦争の泥沼に陥り、太平洋戦争に敗れたのか?
戦後復興と新たな危機とは?
数々の国難と日本人が向き合った昭和史。
昭和時代を大正11年に遡って解き明かす新機軸を採用し、
著者が日本人なら知っておきたい要点を解説、
最も新しい昭和史。朝日おとなの学びなおしシリーズ第一弾。
目次
第1章 昭和という時代をどう捉えるか(新視点!昭和時代を大正10年から見る
昭和は前期、中期、後期に分けると理解しやすい ほか)
第2章 昭和は大正10年に始まっていた(「プレ昭和時代」という考え方
第一次世界大戦と日本 ほか)
第3章 昭和前期(昭和維新天皇機関説 ほか)
第4章 昭和中期(占領軍天皇の人間宣言 ほか)
第5章 昭和後期(55年体制60年安保闘争 ほか)
文庫(2011/12/24) 新潮文庫
■内容紹介]■
時代は天皇がつくり、結果的に天皇には時代が凝縮されている―。
明治天皇の剛直さ、大正天皇の文学的側面など、
歴代天皇の個性と一家族としての天皇家の父子、母子、夫婦関係は、
いかに時代に影響するのか。それは“代替り”の局面に如実にあらわれていた。
孝明帝の急逝に始まり平成の世に至る五代の家族の姿から、
近現代の天皇家と天皇制を捉え直した画期的ノンフィクション大作。
単行本(2011/12/13) 筑摩書房
■内容紹介]■
不況にあえぐ昭和12年、突如全国で撒かれた号外新聞。
そこには暴動・テロなどの見出しがあった。昭和最大規模のアナキスト弾圧事件の
真相と人々の素顔に迫る。
日中戦争全面化を目前にした昭和12年、とつじょ全国で号外が撒かれた。
そこには「暴動」「黒色テロ」「大陰謀」などの文字が躍っていた。
農村青年社事件の報道解禁である。
心中・身売りなど、疲弊した農村の現状を救うため、若者たちがめざした理想、
そして挫折。恐るべき思想検事によるデッチあげ。
昭和史上最大といわれるアナキスト弾圧事件の真実に迫る。
プロローグ 農村青年社事件とは?
第1章 昭和初期のアナキストたち
第2章 農村青年社がめざしたもの
第3章 資金獲得という挫折
第4章 序幕となった無政府共産党事件
第5章 デッチあげの構図
第6章 法廷での人間模様
第7章 政治裁判の実態
エピローグ 戦時下・彼らはどう生きたか
1989年の因果 - 昭和から平成へ時代はどう変わったか
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文庫 (2011/8/25) 中央公論新社
■内容紹介]■
天皇崩御、与党の大敗、消費税導入、東西ドイツ統一、天安門事件……
世界的な激動の年であった平成元年当時の記録を、いまの視点からあらためて問い直す。
歴史でたどる領土問題の真実 - 中韓露にどこまで言えるのか
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新書 (2011/8/10) 朝日新書
■内容紹介■
どう守り、返還させるか?威勢のいい言葉だけでは進展はない。
解決策は「歴史」の中に書かれている!明治維新時の領土と、その後の戦争による拡大。
敗戦での急激な縮小と、戦後の枠組み。
それらの歴史の裏側までを厳正に検証する。
21世紀の視点に立った日本の主張。
序章 主張すべき姿勢とは
第1章 昭和前期の領土空間とその崩壊
第2章 近代日本の領土拡充史
第3章 「歴史」と「政治」の北方四島
第4章 条約と現実の竹島問題
第5章 資源と外交の焦点・尖閣諸島
終章 次代に託されている論点
単行本 (2011/7/5) 毎日新聞社
■内容紹介■
荷風、大岡昇平、山田風太郎、大佛次郎、丹羽文雄、高見順、
島木健作、徳富蘇峰、伊藤整、吉田満…
彼らが書かずにいられなかったものとは?昭和史の視点から読み解く作家の日記と作品。
山田風太郎の『戦中派不戦日記』を読む
「戦争に負けると、ああなる」―山田風太郎と中国兵捕虜
八月十日の終戦―山田風太郎の心のなかの戦い
「十五日(水)炎天 ○帝国ツイニ敵ニ屈ス。」
山田風太郎が終生感じた日本人へのもどかしさ
永井荷風の『断腸亭日乗』を読む
荷風が覚悟を決めた昭和十六年六月十五日
「アメリカと戦争するなんて莫迦ですよ」
戦時下、荷風が上野駅地下で見かけた男女
八月十五日、疎開先で知る「日米戦争突然停止」〔ほか〕
単行本 (2011/6/17) 朝日新聞出版
■内容紹介■
著者は22歳の息子を突然、喪った。悲しみが幾重にも襲う。茫然自失、
理不尽さへの怒り、そして最後には希望の曙光が――。
大切な人の喪失後に、傷ついた心はどんな段階を経て癒されるか。
十数年前のこの痛切な体験を克明に記した渾身作に大幅加筆して復刻。
大震災で身寄りを喪い、けなげに生き抜こうとする人々に、
どう声をかけ、どう寄り添ったらいいか得心できる。「鎮魂と再生」を願っての緊急出版。
復刻『愛する家族を喪うとき』。
序 東日本大震災で家族・友人を亡くした人たち(父は関東大震災で孤児になった;
終生かかえこむ記憶 ほか)
1 「愛する人」とどのように別れたか(意識の底に眠る息子;容態急変 ほか)
2 悲しみのプロセスを辿ってみる(幼児期の喪失体験;自己愛人間がふえている ほか)
3 死を看取るという苦しさのなかで(大往生の風景;「生老病死」 ほか)
4 癒しの方法と新たな生き方を求めて(無神経な言葉に傷つく;自らの人生を省みる ほか)
新書 (2011/3/10) 角川グループパブリッシング
■内容紹介■
五・一五事件、二・二六事件、太平洋戦争、占領、六〇年安保、
三島由紀夫と楯の会事件、ロッキード事件。
この七つの事件が私たちに教えるものは何か?
第1章 五・一五事件のもうひとつの顔
第2章 青年将校たちの精神と二・二六事件
第3章 太平洋戦争・「誤謬の東條首相」と閣僚
第4章 占領初期・日本国憲法制定と日本の官僚たち
第5章 戦後派世代の生理的嫌悪感と六〇年安保闘争
第6章 三島事件と戦後社会の不可視空間
第7章 田中角栄元首相逮捕という政争―ロッキード事件
そして官僚は生き残った 昭和史の大河を往く 第十集
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単行本 (2011/1/19) 毎日新聞社
■内容紹介■
最大の事業仕分け、GHQによる官庁中の官庁・内務省と巨大な人員を擁する陸軍省、
海軍省の解体。だが官僚たちはしたたかだった。名とかたちを変え組織は残った。
信はどこから来たか/
第一次世界大戦に学んでいた天皇
第七章 もし本土決戦が行われていたらどうなっていたのか?
シベリア抑留者たちの戦い/
もし戦争が終わらなかったら/
日本人の狂気に対抗する「ダウンフォール作戦」/
システムで攻めてくるアメリカ/
非戦闘員が盾となり精鋭部隊に立ち向かう/
甘い考えの上に成り立つ本土決戦/
槍や鎌で米兵と戦う/
ポツダム宣言反対派クーデター計画/
本土決戦により日本が違う国になる
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